研究課題/領域番号 |
63470079
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山本 明夫 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (30016711)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1989年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1988年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | パラジウム / ルテニウム / アルコキシド / 水素結合 / 一酸化炭素 / チオラト / 挿入 / トランスエステル化 / アルコキシド錯体 / トランスエステル化反応 / 水素化反応 / チオラト錯体 / カルボニル化 |
研究概要 |
ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム等の後期遷移金属のアルコキシド錯体、チオラト錯体を多数合成し、その構造と反応性について明らかにした。特に遷移金属錯体触媒を用いる各種有機合成反応の機構と上記錯体の反応性との関連について重点的に検討をおこない、有用な知見を数多く得た。具体的な研究成果は以下のとおりである。 1.各種の有機遷移金属錯体とフッ素置換アルコ-ルやフェノ-ルとの反応によって相当するアルコキシド錯体を多数合成することができた。これらの錯体は以下のような興味深い性質を示すことがわかった。 (1)パラジウムのフッ素置換アルコキシド錯体のパラジウム-酸素結合には容易に一酸化炭素が挿入し、生成したアルコキシカルボニル配位子にはアルキル配位子と還元的脱離してエステルを生じる。これはPd-O結合へのCOの挿入のはじめての例であり、パラジウム触媒を用いたカルボニル化反応の機構に関して新たな知見を加えるものである。 (2)ニッケル、パラジウム、白金のアルコキシド錯体とアルコ-ルとを反応させると、両者がO-H・・・O水素結合で会合した錯体が得られた。固体及び溶液状態でのこれらの会合については各種の物理化学的手段により明らかにした。 (3)(2)の知見にもとづきアルコキシド錯体とエステルのアルコキシド基交換反応を検討し、パラジウム錯体触媒によるトランスエステル化反応の開発に成功した。 2.有機パラジウム錯体と含硫黄有機化合物との反応により、各種のパラジウムチオラト錯体を合成し、その構造についてX線構造解析等を用いて検討した。またこれらの錯体の有機ハロゲン化物との反応によるC-S結合形成反応を見出し、速度論的な検討結果よりその機構を明らかにした。
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