研究課題/領域番号 |
63470082
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
野崎 一 岡山理科大学, 工学部, 教授 (40025763)
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研究分担者 |
佐藤 恒夫 岡山理科大学, 工学部, 講師 (80183383)
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 有機スズ / 硫化物 / ルイス酸 / 保護 / テトラヒドロピラニルエ-テル / アルコ-ル / エステル / カルボン酸 / ジスタノキサン / エステル交換 / ラクトン化 / アセタール化 / 有機硫化物 / チオアルコキシル化 / モノチオアセタール / ガンマ-アルコキシアリルスルフィド |
研究概要 |
ルイス酸触媒の共存下における有機スズ硫黄反応剤の挙動を検討し、合成化学的な応用を開拓した。得られた成果を列挙すると (1)モノチオアセタ-ルの新規合成法--一般式PhS-CHR-OMeに相当するモノチオアセタ-ル類は有用な合成中間体である。これをアセタ-ル類RCH(OMe)_2から簡単に合成するための新方法を発見した。Bu_3SnSPh/F_3・OET_2(以下Sn-S反応剤と略する)がこの目的に叶っている。 (2)アルコ-ル性水酸基の保護活性化-水酸基の保護に用いられるテトラヒドロピラニルエ-テル(THP)が一種のアセタ-ルであることに注目して、Sn-S反応剤で処理したところ、もとの水酸基のスタニル化体が得られた。アルコキシスタナンの酵素の求核性は著しく増強される。これを利用し、THP化、スタニル化によって、水酸基を保護すると同時に、これを活性化できるという新事実を明らかにした。 (3)1.3-ジチアン合成の新方法-Bu_2Sn(OTf)_2(Tf=SO_2CF_3)で示される新規ルイス酸を合成し、ジチオ-ルHS-CH_2-CH_2-SHとアセタ-ルとの反応において、1.3-ジチアン類を好収率で与えることを示した。 (4)αエナ-ルのβ炭素上での求電子基導入--(1)の反応をαエナ-ルのアセタ-ルに応用すると、1-メトキシ-3-フェニルチオ-1-アルケン体が得られた。その3-位でリチオ化すれば、求電子基を導入できる。1-位炭素をホルミル基に誘導すると、まさに表題の変換が可能となる。この発見に基づき、応用例をいくつか開拓して、有用性を示した。 (5)カルボン酸の保護活性化--(2)の考え方をカルボン酸に拡張するため、αメチルシンナミルエステルを開発した。Sn-S反応剤で処理するとアリルスルフィド体とカルボン酸スズ塩とが生成し、カルボン酸酸素の求核性が高まることを示した。
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