配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
工業化社会の生活では環境化学物質,薬剤など種々の人工有機化合物(ゼノバイオティクス)を摂取する機会が多く,それらによる代謝変動機構の解析と栄養制御に関する知見が重要である。ゼノバテオティクスは多数あり,構造や生理作用も多様であるが、これらの物質は基本的には肝小胞体のP450系で代謝され,極性増大の反応を受け,尿や胆汁などに排泄される。われわれは種々のゼノバィオティクスがかなり共通して高コレステロ-ル血症を引起す性質のあることを見出し,その機構について本研究で詳細に追求した。 また、各種ビタミン代謝に対しても共通的代謝影響を有することを見出したので,この共通性に重点をおいて研究し,以下のような成果をあげた。1)ゼノバイオティクスによる高コレステロ-ル血症の生成機構とその制御:ゼノバイオティクスによる高コレステロ-ル血症は,コレステロ-ル投与による場合と異なり,高密度リポタンパク(HDL)コレステロ-ルの上昇による新しいタイプの高コレステロ-ル血症であることを示し,アポリポタンパク質パタ-ンの変動についても詳細に解析した。この際アポリポタンパク質やコレステロ-ルの分成および肝からの放出も増加することを示した。ゼノバイオティクスのコレステロ-ル代謝への影響は相加的であり ,低濃度でも多種のゼノバイオティクスの摂取が大きな影響を示すことが分った。食餌タンパク質,アミノ酸による制御に関しても解析した。2)ビタミンC栄養とP450:ビタミンC(ASA)欠乏によりゼノバイオティクスによるP450誘導は低下し,主としてフェノバルビタ-ル型のP450が低下すること,アポP450mRNA低下が関与することを明らかにした。その他,ゼノバイオティクスとASAの猿謝的相互作用に関し多くの新知見を得た。食餌ゼノバイオティクス,タンパク質が体内での変異原物質の活性化に大きく影響することも示した。
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