研究概要 |
1.Lyngbyatoxin A 関連化合物の合成研究-藍藻より得られる皮膚刺激性物質Iyngbyatoxin Aと構造的に類似したdihydroteleocidin B-4(1),teleocidin B-3(2),teleocidin B-4(3),(E)-3,7,11-trimethy1-1,6,10-dodecatrien-3yl-(-)-indolactam V(4),pendolmycin(5)を合成した。5は上皮細胞増殖因子により引き起こされるイノシト-ル燐脂質代謝回転を阻害する物質であり1,2,3,4同様強いtumor promoter作用を示す。その活性度は3を1とすると約1/10であり、(-)-indolactam Vの10倍であった。リセプタ-モデルに関連してlyngbyatoxin Aの光学鏡像体をも合成し活性試験に提供した。トリチウムラベルした5の合成を依頼されそれに適した方法を開発した。2.Hapalindole類の合成研究-藍藻の一種Hapalosiphon fontinalisより単離された20数種の抗菌性アルカロイドのうちhapalindole J(6),M(7),H(8),U(9)の4種を全合成した。この間LiAlH_4による4置換二重結合の異常還元に遭遇し、短工程でしかも世界で唯一の合成に成功できた。3.Trikentrin類の合成研究-海綿の一種Trikentrion flabellformeより抽出された5種のインド-ルアルカロイドcis-trikentrin A(10),trans-trikentrin A(11),cis-trikentrin B(12),trans-trikentrin B(13),iso-trans-trikentrin B(14),を能率良い方法で全合成した。さらに(-)-cis-trikentrin A(15),(-)-trans-trikentrin A(16)を合成しこれらアルカロイドの絶対配置を決定した。
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