研究課題/領域番号 |
63480005
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
手塚 泰彦 京都大学, 理学部, 教授 (80087056)
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研究分担者 |
成田 哲也 京都大学, 理学部, 助手 (40025440)
中西 正己 京都大学, 理学部, 助手 (60025434)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 琵琶湖 / 植物プランクトン / 有機物生産 / 生産物の行方 / 動物プランクトンの摂食 / 呼吸 / 細胞外排出有機物 / 底泥への沈降 / 動物プランクトン / 細菌 / 底泥への移行 |
研究概要 |
湖沼の沖帯では、植物プランクトン(一次生産者)の光合成によって生産された有機物は、1)植物プランクトン自身の呼吸、2)植物プランクトンの細胞外排出物とそれの微生物による利用、3)動物プランクトンによる摂食、4)深水層または底泥への沈降、等の諸過程によって系から失なわれる。これらの量的関係を明らかにするために、1989年の5、7、9月の3回にわたって琵琶湖北湖の定点(水深41m)で調査を行った。 得られた主な結果は以下のとおりである。 1.植物プランクトンの日総生産量は2,670(5月)、910(7月)、1,460(9月)mgC・m^<-2>・d^<-1>であったが、動植物プランクトンや微生物の呼吸量を差し引いた日純生産量は1,430(5月)、-210(7月)、490(9月)mgC・m^<-2>・d^<-1>であった。7月に純生産量がマイナスになったのは植物プランクトンにくらべて動物プランクトンの現存量が相対的に大きいためであった。 2.植物プランクトンから排出される溶存有機物量は総生産量の4〜11%で、生産物の損失過程に対する貢献度は小さかった。 3.動物プランクトンの摂食量は182〜206(5月)、875〜1,803(7月)、295〜505(9月)mgC・m^<-2>・d^<-1>と計算され、植物プランクトンの総生産量に対する割合は、それぞれ、7〜8、96〜199、21〜35%であった。 4.有機炭素の沈降量は290〜440(5月)、350〜370(7月)、1,150(9月)mgC・m^<-2>・d^<-1>で、総生産量に対する割合は、それぞれ、13、40、80%であった。9月の沈降量が著しく大きかったのは洪水の影響であった。 以上のように、植物プランクトンの有機生産物の損失に対する各過程の貢献度は季節によって著しく異なるものであった。 今後、頻度の高い調査が期待される。
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