研究課題/領域番号 |
63480010
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
駒嶺 穆 東北大学, 理学部, 教授 (90011494)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 高等植物 / 細胞周期 / cDNAクロ-ニング / ポリアミン / 同調培養細胞系 / 遺伝子発現 / 分子生物学 / cDNAクローニング |
研究概要 |
本研究ではニチニチソウ同調培養系を用いて高等植物の細胞周期の制御機構を明らかにするために、細胞周期中における遺伝子発現、およびポリアミン代謝の変動について研究を行い次の結果を得た。1.細胞周期各期におけるタンパクのプ-ルサイズの変化、タンパク合成速度の変化、およびmRNA種の構成の変化について調べ、細胞周期の各期で特異的な発現が生じていること、2.細胞周期の特定の周期に特異的に発現するmRNA種の他に、周期特異的ではないが活発に分裂している細胞に特徴的に発現するmRNA種が存在することを示し、3.細胞周期、特にS期に特異的に発現するcDNAをdifferential screeningによりクロ-ニングして、それらのcDNAの細胞周期、および増殖過程での発現を詳しく解析した。4.次に機能の明らかな遺伝子として、動物細胞でDNAポリメラ-ゼδの補助因子として同定されたproliferating cell nuclerar antigen(PCNA)に対するcDNAをニチニチソウcDNAライブラリ-からクロ-ニングし、このPCNA遺伝子はS期特異的に発現することなどの諸点を明らかにした。さらに、5.細胞周期中のポリアミンレベルと、ODC、ADC活性の変動を調べると、ODC、ADC活性はG_1期とG_2/M期に顕著な上昇を示し、その変化に応じてプトレッシン、スペルミジン量も変動することなどの諸点を明らかにした。 以上の研究から、植物細胞の細胞周期において特定の遺伝子が周期特異的に発現することを明らかにすることができた。また、ポリアミンが細胞周期の進行と密接な関係をもって代謝されていることを明らかにした。これらのことから高等植物細胞の細胞周期の機構の解明に向けての端諸が開かれた。
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