研究分担者 |
丸山 俊明 山形大学, 教養部, 助教授 (70165950)
海保 邦夫 東北大学, 理学部, 助手 (00143082)
長谷川 四郎 東北大学, 理学部, 助手 (90142918)
高柳 洋吉 東北大学, 名誉教授 (70004299)
石崎 国煕 東北大学, 理学部, 助教授 (90004316)
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研究概要 |
本研究は微化石(有孔虫,貝形虫,珪藻)が新生代を通じてたどってきた変遷の様子をバイオメトリ-の手法を用いて明らかにし,微化石群集の形態変異あるいは変化を時間的および地理的に評価することを目指した。昭和63年度に画像解析装置を道入して,微化石の種間変異および種内の地理的変異を検出するに適した計測パラメ-タを,それぞれの分類群について選定した。最近の研究成果は、研究成果報告書に付した約60頁にわたる論集「微化石のバイオメトリ-」に収録してあるが,次年度以降に得られた断片的な成果には次のようなものがある。 珪藻:化石層位学的に有効なDenticulopsisは、種のレベルで分類するのが因難な種を多く含み,形態計測学的に分類の準拠を見出す必要があった。そこで,バンドの殻長・殻幅の計測とともに,それに認められる室数を詳細に調べた。その結果,Dlautaには室が奇数のバンドが多い,とくに3室または5室のものが圧倒的に多いこと,バンドの両端にあるapical pseudoseptaの様式に3タイプがあること,室数とapical pseudosepte がライフサイクルを解析するうえで最も重要な形質であることなどを明らかにし,殻長と室数とが高い相関を示すことから,細胞分裂が殻長の変化だけでなく殻構造をも支配している可能性を示唆した。 貝形虫:海水準の変動に伴った。個体群の分断により,貝形虫種が地方的な消滅をきたす際に被った生態的な抑圧が、背甲の矮小化に反映されていることをSinocy theridea latiavata を例に明らかにした。
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