研究課題/領域番号 |
63480030
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武岡 洋治 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70023455)
|
研究分担者 |
和田 富吉 名古屋大学, 農学部, 助手 (20158702)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 青立症 / イネ小穂 / 環境ストレス / 貫生 / 形態形成 / 雌ずい増生 / 植物ホルモン / 性発現 / 生殖器官 / 化学交雑剤 / 走査電子顕微鏡 / 水稲小穂 / 走査型電子顕微鏡 / 窒素追肥 / ジベレリン / 雄性不稔剤 / 水稲青立症(Straighthead) |
研究概要 |
(1)生殖器形成に対するGA_3とその合成阻害剤Sー327Dとの相互作用を調べ、生殖器官の雌性化はS327Dによっても起こり、穂枝梗の伸長抑制がGA_3の後処理により解消したが雌ずい増生は解消しなかった。このことから技梗形成と性発現はジベレリン制御の面で異なる性格を持つことが判明した。(2)青立症小穂の性発現は土壌添加物の種類により変化し、デンプン、リン酸カリおよびブドウ糖により雌ずい増生・小穂型貫生体が増発し、酢酸カルシウムにより減少した。性発現ならびに貫生体の発現に対する効果が両グル-プ間で対照的で、これらの発現機構の解明に示唆を与えた。(3)高温と外生GA_3に対するイネ性発現の応答は、雄ずいと雌ずいとで対照的に異なり、高温による雌ずい増生・雄ずい減生は外生GA_3による生理的変化と異なる過程で発現することを示唆した。品種短銀坊主では高温・外生GA_3に対する反応が銀坊主に比べて鈍く、ジベレリンに関する品種の遺伝・生理的背景の差異と性発現の環境応答との関連に示唆を与えた。野生イネでは高温に対する耐性が栽培イネより高いことを観察し、この面からも雌性化・貫生化の発現機構解明の端緒を得た。(4)ジベレリンの簡易分別と生物的定量法によりイネの内生GA含量は穂の発育と共に増加し高温処理による減少することを見出した。(5)数種のイネ科作物と近縁植物間で穂・小穂の形態変異の特徴が異なり、野生種の馴化過程でこれが生じ稔実果生産の増進・効率化の発育経過の相違であることが判明した。(6)イネ科植物における小穂貫生がフェスツコイド亜科で多く発現し、他の亜科で少ないことを文献調査により見出しし、これらと穂理穂構造・地域分化などとの関連から、貫生誘導の効率的手順作成のための基礎資料を得た。(7)これまでの研究を「Reproductーive Adaption of Rice to Environmental Stress」なる標題の単行本としてElsevier社(Amsterdam)から出版印刷中である。
|