研究課題/領域番号 |
63480065
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角谷 和男 京都大学, 木材研究所, 教授 (30027156)
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研究分担者 |
田中 国介 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90027194)
小川 雅広 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (10160772)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 木本植物 / ポプラ / 培養細胞 / 不定芽分化 / 分化特異的蛋白質 / 分化特異的遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、ポプラ培養細胞(以下カルスという)再分化過程での蛋白質、遺伝子の変化を調べ、再分化制御機構を分子レベルで明らかにし、再分化の早期検定を目的とした。本年度を最終年度とする2年にわたる研究期間で得られた研究成果はつぎの通りである。 1.本研究申請時に抗体を得ていたR-プロテインI(分子量40000、等電点8.5)は、ポプラカルスの分化、器官形成過程で消失する高マンノ-ス型糖鎖を有する可溶性糖蛋白質であった。したがって、その抗体は多くの他の糖蛋白質も認識し、この蛋白質をコ-ドする遺伝子の同定は困難であり、分化検定の分子指標としては不適当であった。 2.ポプラのカルス状態で合成されている分子量31000、等電点8.0の可溶性蛋白質は、苗条原基へと分化すると合成しなくなる蛋白質であり、この蛋白質は、分子指標として、ポプラカルスの器官形成開始を検定しうることが判明した。 3.ポプラカルスが苗条原基へと分化し始めると蓄積し、かつ盛んに合成される分子量33000、等電点6.9の可溶性蛋白質は、原基よりさらに分化の進んだ芽や葉などには存在せず、また、他の雑種ポプラの苗条原基にも存在し、カルスへの脱分化過程で消失した。さらに、この蛋白質はユ-カリの苗条原基、原基誘導過程のヒノキアスナロ苗条先端部には存在しなかった。したがって、この蛋白質はポプラ苗条原基に特異的であり、ポプラカルスの原基形成の早期検定に分子指標として用いられることが明らかとなった。 4.2および3でのべた蛋白質をコ-ドする遺伝子は、種々の試みにかかわらず、同定はいちじるしく困難であり、こんごの問題として残された。
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