研究課題/領域番号 |
63480082
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
内田 照章 九州大学, 農学部, 教授 (50038163)
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研究分担者 |
毛利 孝之 九州大学, 農学部, 助手 (00089939)
白石 哲 九州大学, 農学部, 助教授 (30038319)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | フタトゲチマダニ / 交尾 / 飽血 / 卵母細胞 / 精子 / 中腸 / 宿主血液消化 / 栄養貯蔵 / 受精 / 宿主血液 / 細胞内消化 / ヘモグロビン / ヘマチン / 雄の唾液腺III型腺胞 / 雌の吸血様式と産卵性 / 卵黄形成 / 卵殻形成 / 若虫の飽血と離脱 / 体重減少と排泄 / グアニンとヘマチン |
研究概要 |
1.両性生殖系(2n)の雌は交尾しないと飽血離脱及び正常産卵しなかった。交尾は早いものでは吸血開始後3〜4日で起こった。産卵数と吸血雌体重との間には正の相関があり、体重が重いほど産卵数は多かった。 2.吸血に伴って発達し始めた卵母細胞は吸血開始後4日目に卵巣表層から血体腔に突出し、卵巣上皮細胞由来の索状細胞によって支えられるようになった。卵黄形成と卵殻合成は飽血離脱日に開始された。卵黄形成期には核窩を持つ大きな卵核は索状細胞側に位置するようになり、よく発達した微絨毛と活発な飲作用が形質膜上に認められた。成熟した卵母細胞は索状細胞間隙を通過し、卵巣腔へと排卵された。多数の精子は排卵時には卵巣腔に達しており、それらの幾つかは卵巣上皮細胞の微絨毛と接し、あるいは索状細胞形質膜の嵌入部に侵入していた。排卵された卵には特徴的な卵核がもはや認められなかったので、精子は卵巣腔において卵母細胞を受精させると考えられた。 3.フタトゲチマダニ若虫における宿主血液消化を飽血離脱から脱皮後5日目まで調べた。中腸に含まれる総蛋白質量は離脱から脱皮直前まで急激に、その後は非常に緩慢に減少した。中腸に含まれる蛋白質の大部分は多量のヘモグロビンと少量のアルブミンであり、これらの消化速度は前者で後者よりも速かった。ヘモグロビン消化の残余物ヘマチンはヘモグロビンの減少につれて増加し、脱皮後1〜5日目に急激に排泄された。 4.電顕的観察によって、中腸は末吸血期には栄養貯蔵器官として、吸血期及び前脱皮期には宿主血液の上皮細胞内消化器官として、脱皮後には再び栄養貯蔵器官として機能した。
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