配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
1.樹脂注入による胎盤血管系の形態学的研究として,肉眼観察および走査型電子顕微鏡観察による研究を行った。牛の胎子胎盤,犬の母体ならびに胎子胎盤およびスンクスの母体胎盤の一般血管構築と妊娠期における変化,ならびに胎盤型による血管分布様式の違いを明らかにした。 2.豚胎子下垂体の組識発生を光学および電子顕微鏡的に研究する一方,ACTH,GH,LH,PPLの各抗体を用いて酵素抗体法による検索を併行して実施した。これにより,下垂体前葉の各種腺細胞の発現時期が明らかになるとともに,胎生期間中における分布の特徴も明らかとなった。この中,特にACTH細胞とLH細胞の発現時期およびそれぞれの発達は胎子内分泌器の活性始動と密に関連することが明らかとなった。 3.豚胎子副腎について組織計測的観点ならびにステロイド脱水素酵素(HSD)の検出から,層分化と内分泌活性の推移を明らかにした。初期の副腎皮質はほぼ胎生皮質細胞で構成されるが,これは中期以後次第に退縮し,代って永久皮質,特に束状帯が発達する。胎生皮質細胞と束状帯細胞はともに同様なHSD活性様式を示すことから,胎子ー胎盤系において重要な意義をもつことが示唆された。 4.ネコ胎子副腎の組織発生については組織計測,HSD活性および電顕観察による結果にもとづいて検討した。ネコの場合,胎生皮質細胞は妊娠後期になっても退縮が著明でなく,細胞小器官の発達からみて,網状帯に組み込まれることが明らかとなった。従って,胎生皮質は胎生期の中期すぎまで,また,遅れて発達してくる束状帯は胎生末期に,胎子ー胎盤系のユニットとして活性をもつことが示唆された。
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