研究課題/領域番号 |
63480101
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
渡辺 昭 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (30013791)
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研究分担者 |
久木田 文夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40113427)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 神経 / 興奮性 / 膜 / 旋光性 |
研究概要 |
1.入射光と神経との角度を変化させる実験。分子の光学活性は、二階のテンソル(旋回テンソル)によって特長づけられるので、神経線維のような秩序ある構造の旋光性は、入射光と神経線維との角度に依存するはずである。これを確めるため次の実験を行った。光路に対し神経を±10°にわたって傾けることのできるチェンバ-を作り、神経を傾けた時の旋光性シグナルを測定した。次のような結果が得られた。(a)旋光性シグナルが、前応答を持っている時、シグナルのこの部分は神経を傾けてもほとんど変化しない。(b)これに対し、神経の旋光性シグナルの主応答は、神経を傾斜させることによって大きく変化する。変化は、+10°の場合と-10°の場合で逆方向となる。振巾の変化と同時に、しばしばその符号を逆転させる。(c)中枢端刺激と末梢端刺激とでは、神経を傾斜させない時、旋光性シグナルは、しばしば逆符号をとる。しかし、神経を傾斜させるとき、変化の方向は、刺激部位に関係なく同じ方向に起る。従って、傾斜させた実験では、刺激部位の差による符号の差は少なくなる。以上のような実験から次のことが結論できる。(a)旋光性シグナルを、膜電位勾配による膜高分子の傾きのみによっては説明できない。神経を傾けても応答の変化分には変化が出ないはずである。(b)旋光性シグナルの発生原因は興奮伝導によって起る分子の傾きと分子の形態変化の相乗に求めなければならない。分子が傾いている時、その分子の形態変化は旋光性シグナルとして検出され、シグナルの大きさと方向は分子の傾きの凾数となる。以上の假説は実験を説明するが検証は今後の問題である。 2.旋光性シグナルに対する薬物の作用。麻酔薬(ベンゾカイン等)は旋光性シグナルの主応答を消失させるが前応答は残存させる。テトロドトキシンも同じである。150mMK^+はシグナル全部を可逆的に抑える。
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