研究課題/領域番号 |
63480104
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 成人 東京大学, 医学部(医), 助教授 (50110490)
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研究分担者 |
岩本 義輝 東京大学, 医学部(医), 助手 (50184908)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1989年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | Forel野 / 頸指向運動 / 垂直性 / 脳幹網様体 / 頚指向運動 / 指向運動 / 頚運動 / 橋・延髄網様体 |
研究概要 |
Forel野(FFH)ニュ-ロンと頸筋運動ニュ-ロンの結合様式、FFHの頸運動における役割を調べ以下の結果を得た。FFHニュ-ロンの大部分は橋・延髄網様体に投射した。このうち約半数が上部頸髄(C1-C3)に投射し、このうち更に約20%は下部頸髄(C7)に投射した。FFHニュ-ロンは頸筋運動ニュ-ロンに直接及び橋・延髄の網様体脊髄路細胞を介して2シナプス性に興奮結合し、この結合は頭挙上筋に特異的であった。以下の頸指向運動を行うように訓練した猫のFFHにカイニン酸を微量注入しこの部の細胞のみを選択的に破壊して、運動障害を調べた。猫はperimeterの前に立つように訓練した。perimeterには水平に7個、垂直方向に12個の赤外線発光ダイオ-ド(LED)が取り付けてあり、中央のLEDが点灯すると猫はこれを注視する。中央のLEDが消え即座に他の周辺のLEDが点灯すると猫はこれに向かって頭を動かし注視する。この時の眼球運動(EOG)、頸筋筋電図、Sel spot systemにより頭の動きを同時に記録し解析した。垂直性筋運動は頸と体幹の接合部での回転運動(neck rotaion)、atolanto-occipital joint付近での回転運動(head rotation)、おもに前肢による頭の平行運動(parallel shift)の3種類に大別された。頭の最大角速度と回転角は正の相関を示しそのslopeは10deg/sec/degであった。両側のFFHにカイニン酸を微量注入すると、両側の頭挙上筋、体幹筋の著名な活動の増大(興奮性作用)が10〜20時間持続した。その後、体幹筋のト-ヌスは低下し、頭は下がったままとなった。約3日後には筋ト-ヌスも正常に戻り、頭を挙上し正常な位置に保てるようになった。垂直方向への頸指向運動、saccadeは完全に消失したが水平方向の頸運動は全く正常であった。その後垂直性指向運動は主にparallel shiftで補償されたが回転運動成分は障害されたままであった。以上よりFFHが垂直頸指向運動のpremoter centerであることがわかった。
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