研究課題/領域番号 |
63480115
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
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研究分担者 |
村本 健一郎 富山工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (70042835)
西条 寿夫 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (00189284)
福田 正治 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60126547)
中村 清実 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20143860)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | サル / 海馬体 / 単一ニュ-ロン活動 / オペラント行動 / 空間記憶 / 場所ニュ-ロン / 再認記憶 / 情動 / マイコン制御特殊駆動装置 / 環境条件設定装置 / 特殊脳固定装置 / 海馬 / 扁桃体 / 単一ニューロン活動 / 環境・場所・時間 |
研究概要 |
生活圏内の地図の記憶や時間の認知に関与する神経機構を調べる目的で、サルを特殊駆動装置に乗せて、周囲の環境条件やサルの位置を変化させたとき(研究1)、サルに種々の視覚や聴覚刺激を様々な方向から呈示したとき(研究2)、サルにオペラント行動を行わせ、生物学的意味を有する種々の物体(既知の報酬性物体や嫌悪性物体あるいは未知の物体)を呈示したとき(研究3)の海馬体ニュ-ロンの応答性を系統的に解析した。 1.研究1、2より、サルの海馬体には、(1)サルが特定の場所にいるときに応答し、時間とともに変化する自己の位置の認知に関与するニュ-ロン群、(2)呈示刺激に対して自己中心的空間または外界対象中心的空間に依存した応答性を示し、それぞれ、内空間または外空間の認知・記憶に関与するニュ-ロン群、(3)サルが特定の場所にいるときだけ呈示刺激に対して自己中心的空間や外界対象中心的空間に依存した応答性を示すことから、上記の(1)および(2)のニュ-ロン群からの入力を受け、空間情報の統合的な処理に関与するニュ-ロン群の存在を明らかにできた。 2.研究3より、サルの海馬体には、(1)既知の報酬性物体または嫌悪性物体に強く応答し、物体のもつ意味を逆転または消去してもその応答性が変化せず維持されることから、過去に経験した物体のもつ意味の記憶保持に関与するニュ-ロン群、(2)ある特定の物体にだけに強く応答し、その物体の認知・記憶に関与するニュ-ロン群、(3)未知の新奇な物体に強く応答し、その物体の連続呈示に対して応答性の減弱(慣れ)を生じることから、物体の再認に関与すると考えられるニュ-ロン群が存在することを明らかにできた。 以上から、生活圏内の地図や物体の認知・記憶への海馬体の重要性をニュ-ロンレベルで明らかにできた。
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