研究課題/領域番号 |
63480122
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高井 克治 東京大学, 医学部(医), 教授 (10010000)
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研究分担者 |
四童子 好広 東邦大学, 医学部(医), 講師 (00111518)
志村 二三夫 東京大学, 医学部(医), 助手 (70111523)
山田 和彦 東京大学, 医学部(医), 助手 (60158178)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1989年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 脳 / セロトニン / 神経伝達物質 / In vivoマイクロダイアリシス / 睡眠・覚醒 / テトラハイドロバイオプテリン / トリプトファン / トリプトファン側鎖酸化酵素 / In Vivoマイクロダイアリンス / 酵素生体投与 / カテコールアミン / 睡眠 / 覚醒 / 日周リズム / 意識レベル / 生物時計 |
研究概要 |
我々は、神経伝達物質の一つセロトニンをラット脳より迅速特異的にそして徹底的に除去しそれに対する脳の代謝、生理応答及びそれらの過渡特性を調べる事により、本来脳でセロトニンの示す生理的役割を逆向きベクトルとして把え、未だに決定的役割が解明されていないこの神経伝達物質の研究に新しい方向づけを与えんとするものである。 この究極の目的に対し、我々は、ラットに対するセロトニン前駆体アミノ酸トリプトファンの、トリプトファン分解酵素トリプトファン側鎖酸化酵素(TSO)生体投与による血中からの除去を介し、脳内前駆体低下に続くセロトニンの数時間単位の迅速除去を果たす事にまず成功した。この攪乱に対する脳の応答は、全脳レベル、局所マイクロディセクション、In Vivoマイクロダイアリンス、皮質脳波測定分析、等のアプロ-チにより調べられ、更に次年度からの発展を欠て、MRI(核磁気共鳴イメ-ジング)や局所脳温自由行動下連続測定、等の方法も適用した。 その結果、脳の広域放散投射系であり全体調節への関与が未知勿ら良く推定されているこのセロトニンニュ-ロン系について、(i)脳各部位での代謝回転(ニュ-ロン活性)の一般的同調の可能性、(ii)局所でのセロトニン系活性低下に対する他系応答の、著しい局所差、(iii)セロトニン含有量とセロトニン代謝回転(近似的にニュ-ロン活性)の比例対応関係、(iv)セロトニン除去による睡眠覚醒パタ-ンの攪乱が、日周リズム消失、各睡眠発生機構維持、しかし、睡眠覚醒交替のcaeの著しい変調として把えられた。(v)この攪乱(セロトニン除去)自身本質的に可逆的であるが、前駆体トリプトファン補充そして補酵素テトラハイドロバイオプテリン補充により急速に復元した。(vi)これらは将来臨床的セロトニン代謝異常モデルとしてその矯正の手段として充分有用と判断される。
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