研究課題/領域番号 |
63480127
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中澤 淳 山口大学, 医学部, 教授 (90025594)
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研究分担者 |
山田 守 山口大学, 医学部, 助手 (30174741)
井上 幸江 山口大学, 医学部, 助手 (60159978)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | アデニレ-トキナ-ゼ / アイソザイム / cDNA / 代謝調節 / ミトコンドリア局在化 / アデニレートキナーゼ / 高温致死変異 |
研究概要 |
細胞内においてアデニンヌクレオチドのホメオスタシスに関与し、エネルギ-代謝において重要な意味をもつアデニレ-トキナ-ゼには、細胞質型(AK1)、ミトコンドリア膜間型(AK2)、ミトコンドリアマトリックス型(AK3)の3種のアイソザイムが存在するが、このような細胞内局在性の違いがどのような代謝調節上の意味をもつのかは不明である。 本研究では動物細胞にアデニレ-トキナ-ゼアイソザイムcDNAを導入し、酵素の細胞内局在性を変え、代謝機能の変化を解析することを目指した。局在性を人為的に支配するためには、AK2,AK3などのミトコンドリアタンパク質がいかなる機構によりミトコンドリアに転入するかを知っておく必要がある。今回AK3については、他のミトコンドリアタンパク質と異なり、N末端にシグナル配列をもたないことがcDNA解析から明らかになった。AK3 cDNAを大腸菌細胞内で発現させると、生合成されたAK3タンパク質はペリプライズムに回収され、そのN末端アミノ酸配列はCDA塩基配列から予想されるものと全く同じであった。このことから、AK3タンパク質はミトコンドリア内膜を透過するのと同様に、ポリペプチド鎖の切断を伴うことなく、細菌内膜を透過することがわかった。一方、helical wheel解析により、AK3のN末端の6番目から23番目までの残基は両極性のα-ヘリックスを形成することがわかったので、この領域とβ-ラクタマ-ゼとの融合タンパク質を指令するプラスミドを作成し、大腸菌内で発現させたところ、融合タンパク質はペリプラスムまで透過していた。以上の解析より、AK3のN末端領域には、ミトコンドリアへの局在化を支配する情報が存在することが強く示唆された。 この知見は、今後人為的に酵素タンパク質の細胞内局性を変えるための重要な基礎を提供したものと考える。
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