研究課題/領域番号 |
63480130
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
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研究分担者 |
滝口 正樹 熊本大学, 医学部, 講師 (40179578)
天谷 吉ひろし 熊本大学, 医学部, 助手 (50193032)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1989年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1988年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 蛋白質のミトコンドリア移行 / ミトコンドリア蛋白質前駆体 / 延長ペプチド / オルニチントランスカルバミラ-ゼ / サイトソル因子 / PBF / 活性化実験 / 大腸菌での大量発現 / オルニチントランスカルバミラーゼ / オキソアシルCoAチオラーゼ / 精製前駆体 / 非切断性ミトコンドリア識別シグナル |
研究概要 |
ミトコンドリアに局在する蛋白質の大部分は核DNAにコ-ドされ、ミトコンドリア外部で合成された後に内部に移行する。ミトコンドリアの外で合成されたこれらの蛋白質が細胞内の多くの膜系の中でいかにしてミトコンドリア膜を特異的に認識し、膜を通過して内部へ移行するかという問題は医学・生物学上きわめて重要な課題である。われわれはミトコンドリア蛋白質の多くがN末端に延長ペプチドを持つ前駆体の形で合成されることを動物ではじめて明らかにすると共に、前駆体を単離ミトコンドリアへ取り込ませる再構成実験系を確立した。さらに遺伝子工学の手法を用いてラット・オルニチントランスカルバミラ-ゼ(OTC)前駆体を大腸菌内で大量に発現させ均一に精製した。これらの成果を基に次の結果を得た。 1.ラットOTC前駆体と同様に成熟型OTCを大腸菌に発現させ、変性条件下で均一に精製した。前駆体、成熟型共に尿素より希釈後0℃でインキュベ-トすることにより10〜20%の酵素活性を回復した。活性化OTC、活性化前駆体は共に三量体を形成していることが示された。したがって、延長ペプチドは必ずしも前駆体の成熟酵素部分のfoldingを阻害しないことが明らかとなった。 2.われわれは以前に、OTC前駆体のミトコンドリア移行にはサイトソ-ルの蛋白質因子が必要であることを明らかにしている。今回、精製前駆体と特異的に複合体を形成する因子を精製しPresequence Binding Factor(PBF)と名付けた。精製前駆体をリガンドとするアフイニティ-クロマトにより赤血球ライセ-トよりPBFをほぼ均一に精製した。精製PBFは精製OTC前駆体のミトコンドリア移行を促進した。PBFの遺伝子クロ-ニングの準備をはじめている。
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