研究課題/領域番号 |
63480135
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 道雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (30028691)
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研究分担者 |
宮内 啓輔 大阪大学, 医学部, 助手 (70209857)
村田 厚夫 大阪大学, 医学部, 助手 (00200288)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 膵分泌性トリプシン・インヒビタ-(PSTI) / 培養細胞系 / 上皮成長因子(EGF) / PSTI受容体 / 膵分泌性トリプシン・インヒビター(PSTI) / EGFレセプター / 肺癌 |
研究概要 |
1)腫瘍組織における膵分泌性トリプシン・インタヒビタ-(PSTI)の産生とその構造 肺癌1例とS状結腸ポリ-プ1例からPSTICDNAをクロ-ニングした。その構造は膵臓のPSTIと同一であった。 2)各種培養細胞系に対する膵分泌性トリプシン・インヒビタ-(PSTI)の特異的結合の検討 種々の培養細胞について^<125>I-PSTIの結合活性を調べたところ、WI-38(ヒト線維芽細胞)、HUVE(ヒト血管内皮細胞)、H4-II-E-C3(ヒト肝癌細胞)、BDC-I(ヒト肝管癌細胞)において認められた。 3)3T3 Swiss albino細胞における膵分泌性トリプシン・インヒビタ-(PSTI)受容体の構造解析 PSTIのSwiss albino細胞に対する結合は4℃、120分で平衡状態に達した。細胞に結合したPSTIは、37℃、30分で細胞内に取込まれ(内部化)、時間経過と共に内部化された^<125>I-PSTIは崩壊し細胞外へ排除された。^<125>I-PSTIを非標識のPSTIと共に細胞と反応させると、非標識PSTIは用量依存的に^<125>I-PSTIに結合を阻害した。他の成長因子であるEGF、D-FGF、IGF-1、TGFα、PDGF、TNFを添加しても、^<125>I-PSTIの結合は阻害されなかった。阻害反応曲線を用いてScatchard解析をしたところ、解離定数(kd)は5.3×10^<-10>Mで、一細胞あたり5,400の結合部位が存在することがわかった。この結合部位は、解離曲線により負の協同性をもたないものであった。受容体の分子量は約140kdであった。また既知のプロテア-ゼではないことを確認した。PSTIによるDNA合成の促進は、この受容体を介して伝達されているものと考えられた。
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