配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
思春期発来機序の解明は、生理的にも異常症の治療にとっても大切なテ-マである。我々は、マウスでは生後15ー25日の幼若期にかぎって、中枢からの性腺刺激ホルモン(LH)の分泌が中断することを明らかにしている。本研究では、このLH分泌中断(当然精巣アンドロゲン分泌の中断も生じる)の機序を明らかにし、思春期発来の機序を明らかにすることを目的とした。なお、思春期の精巣男性ホルモンの作用も解明しようとした。以下の結果がえられた。 1.血中LH,テストステロンを生後0,10,20,40,60日の雄で測定すると,幼若期(生後20日)だけが低値であった。 2.生後20日の雄マウスでも、LHを投与するとテストステロンが、LH放出ホルモンを投与するとLHが著増した。in vitroで幼若精巣、幼若脳下垂体を用いても、同様の結果がえられた。 3.幼若マウスにLH放出ホルモンを3日間連続投与すると、LH,テストステロンの分泌増加,精襄細胞の増殖が誘導された。 4.以上の結果より、幼若マウスの低LH・低テストステロンは、視床下部LH放出ホルモンの分泌抑制の結果生じることが明らかになった。その抑制は、オピオイドペプチドによって生じるのではないかと考えられる所見をえた。 5.幼若期後の思春期のマウス精巣アンドロゲンによって、精襄幹細胞上皮が形成される(間質幹細胞は新生仔期に形成される)。 6.精襄胞細胞は、アンドロゲンが無くても生きつづけ、成熟精巣のアンドロゲンの作用で一定量の成熟上皮を作成する。
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