研究課題/領域番号 |
63480162
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
本間 守男 神戸大学, 医学部, 教授 (10004566)
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研究分担者 |
伊藤 正恵 神戸大学, 医学部, 助手 (10201328)
堀田 博 神戸大学, 医学部, 助教授 (40116249)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1989年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1988年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | センダイウイルス / プロテア-ゼ阻害剤 / アプロチニン / マウス肺炎 / ウイルス糖蛋白 / 肺器官培養 / 糖蛋白の開裂 / マウス感染症 / プロテアーゼ阻害剤 / トラジロール |
研究概要 |
マウス肺器官培養を用いてセンダイウイルスの増殖を阻害するプロテア-ゼインヒビタ-をスクリ-ニングした結果、アプロチニンとロイペプチンが最も有効にウイルス増殖を阻害することが、昨年度の研究で明らかになった。今年度は当初の計画に従い、上記の結果に基づいて、これらの阻害剤のうちアプロチニンについてセンダイウイルス感染マウスに対する発症阻止効果を検討した。 1.アプロチニンのセンダイウイルス感染マウス発症阻止効果. (1) センダイウイルス感染マウスの発症阻止効果を示す最適投与法を検討した。その結果、センダイウイルスを経鼻感染後、12時間以内に250単位のアプロチニンを6回経鼻投与した場合が最も強く発症を阻止した。この条件下では、気管支上皮細胞内で産生される子孫ウイルスは、非開裂型のF糖蛋白を持った非感染性ウイルスで、そのために肺内でのウイルス感染の拡大が阻止され、発症が抑えられることが明らかになった。 (2) アプロチニンの投与回数を3回に減らすと、上記のウイルス感染阻止効果は減弱し、1回投与した場合には、殆んど阻止効果を認めることはできなかった。 (3) アプロチニンを腹腔内投与した場合には、経鼻投与に用いた8倍量を用いても、感染拡大を阻止する効果は見られなかった。 2.以上の成績から、アプロチニンが気管支上皮細胞内のプロテア-ゼ活性を阻害することによってF糖蛋白の開裂が阻止され、その結果、肺内では感染性を失ったウイルスが産生され、感染の拡大が阻止されると云う機構が明らかになった。この結果は、プロテア-ゼ阻害剤をウイルス感染症の治療に用いる一つのモデルを提供したものと思われる。
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