研究課題/領域番号 |
63480170
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西村 泰治 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (10156119)
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研究分担者 |
木村 彰方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60161551)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | CD5分子 / T細胞活性化 / 変異株 / レトロウィルスベクタ- / 遺伝子導入 / インタ-リュ-キン1 / 突然変異細胞 / トランスフェクション / CD5 / CD5欠損突然変異株 / ILー1 / ILー1受容体 / IL-1 / IL-1受容体 / T細胞レセプター / CD3複合体 / Jurkat細胞株 / 欠損変異株 / 組み換えレトロウィルス |
研究概要 |
CD5分子は、T細胞の分化過程の早期より発現され、末梢の成熟型T細胞のほぼ全てに発現されている。T細胞レセプタ-の架橋によりT細胞を活性化する際に、ILー1および抗CD5抗体は、これを増強することが知られており、T細胞の活性化におけるCD5分子の関与が推測されている。また胎児肝に存在するB細胞の多くがCD5を発現し、さらにCD5陽性の成熟型B細胞は、自己抗体の産生に重要な役割を担っていることが報告さている。 本研究では、CD5欠損変異T細胞株、CD5形質導入細胞を用いてCD5分子の機能を分子レベルで解析し、免疫応答あるいは免疫異常におけるCD5分子の役割を解明することを目的とし、以下の成果を納めた。 1)CD5分子の発現を欠損した変異Jurkat T細胞株は、抗CD5抗体によるT細胞活性化の増強作用のみならず、ILー1の結合能および反応性を失った。2)CD5欠損T細胞株に、SV40プロモ-タ-と連結したCD5cDNAをレトロウィルスベクタ-を用いて導入し、CD5分子の発現を回復させたところ、抗CD5抗体によるT細胞活性化の増強活性のみならず、ILー1の結合能および反応性も回復した。3)CD5分子を抗CD5抗体による一時的に、モジュレ-トしてもILー1に対する反応性は、残存していた。また抗CD5抗体とILー1によるT細胞活性化の増強作用には、相加的効果が認められた。 すでにヒトのILー1受容体は同定され、CD5分子とは異なることが明らかにされている。したがってCD5分子が永久的に発現を停止した際に、T細胞はILー1の結合能を失うことにより、ILー1に対する反応性を失うと考えられた。この現象を説明できるようなCD5分子の機能の同定は、今後の重要な研究課題である。
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