研究課題/領域番号 |
63480172
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西川 伸一 熊本大学, 医学部, 教授 (60127115)
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研究分担者 |
小川 峰太郎 熊本大学, 医学部, 助手 (70194454)
國貞 隆弘 (国貞 隆弘) 熊本大学, 医学部, 講師 (30205108)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | B細胞分化 / ストロマ細胞 / エレ-ヌ / 免疫グロブリン / 造血因子 / SCIDマウス / 増殖因子 / 免疫グロブリン遺伝子 / 増殖シグナル / LIF / ILー1β / 幹細胞 / エレヌ |
研究概要 |
本研究の目的は骨髄内でのB細胞増殖調節機構を細胞レベル、分子レベルで明らかにすることである。この目的達成に向けて研究補助を受けた昭和63年、平成元年の2年間に以下の成果をあげることができた。 1.骨髄造血及びB細胞分化を指示することができるストロマ細胞株ST2を樹立した。また、この細胞株が骨髄多能性幹細胞から成熟B細胞にいたるすべての分化段階で細胞の増殖を支持できることを明らかにした。 2.ストロマ細胞株間でB細胞分化支持機能に差があることを明らかにし、この差がストロマ細胞数のIL-7産生能力に帰せられることを明らかにした。 3.ストロマ細胞株の造血因子産生誘導に必要なシグナルについて検討し、ストロマ細胞と造血細胞の関係が一方向性のものではなく、相互に作用しあう関係であることを明らかにした。 4.IL-7を発現できないストロマ細胞株とIL-7を別々のシグナルとして培養中に加える実験を行い、B細胞分化の過程をそれぞれが異なる増殖要求性を有する4段階に分かれることを明らかにした。これは、B細胞初期分化過程の増殖調節に関する最初のモデルである。 5.免疫グロブリン遺伝子の再構成を正確に行えない突然変異マウス(scid)骨髄に存在するB系細胞の増殖要求性について調べ、B細胞分化に伴う増殖要求性の変化が、外界からのシグナルによって調節されるのではなく、免疫グロブリンの細胞内の発現によって調節される可能性を示した。 今後は、ほかのストロマ細胞分子についてさらに研究を進めるとともに、免疫グロブリンの細胞内での発現がどの様な機構で増殖要求性の変化をもたらすのかについて実験を進めていきたいと考えている。
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