研究課題/領域番号 |
63480175
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石西 伸 (石西 昇) 九州大学, 医学部, 教授 (80037340)
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研究分担者 |
平田 美由紀 九州大学, 医学部, 助手 (30156674)
田中 昭代 九州大学, 医学部, 助手 (10136484)
久永 明 九州大学, 医学部, 講師 (20128078)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 金属ニッケル / 金属マンガン / ヒ化セレン / 発がん性 / 免疫毒性 / 動物実験 / 砒化セレン / 無機金属化合物 / 三酸化ヒ素 / リンパ球芽球化反応 / サイクロフォスファミド |
研究概要 |
無機金属化合物の免疫毒性を検索するためにハムスターの肺内に種々の無機金属化合物を投与し、各金属の呼吸器官に対する催腫瘍性や慢性毒性およびその相互作用について以下の実験を行い、種々の結果を得た。 1)金属ニッケル(Ni),金属マンガン(Mn),ヒ化セレン(As_2Se_3)のハムスターを用いた気管内投与法による発がん実験:positive contro1としてNiを投与し、発がんの抑制効果が報告されているMnをNiと同時にハムスターの気管内に投与した。さらにヒ素とセレンが金属結合したAs_2Se_3も同様にハムスターの気管内に週1回,連続15回にわたって投与し、その後は無処置で放置し、生涯観察を行った。その結果、各群の生存率の推移についてNi群はNi+Mn群に比べて有意に低下し、Mn投与による生存率の向上が示唆された。呼吸器官の腫瘍発生に関しては対照群で肺腺腫1例が観察されたが、他の群では発生はなく、呼吸器官以外の腫瘍発生率に関しても対照群との間で有意な差はなかった。肺の組織所見では肺胞上皮および細気管支上皮細胞の増殖や各金属粒子の肺組織への沈着像が対照群を除く各群で観察され、対照群に比べて発生率は有意に増加した。肺の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察では各群で投与した金属の微細な粒子が肺胞領域に沈着し、肺胞内にリンパ球や肺胞マクロファージの浸潤や線維素の析出が観察され、障害の程度は細気管支領域よりも肺胞領域で重篤であった。 2)種々の無機金属化合物のハムスターを用いた気管内投与法による慢性毒性実験:三酸化ヒ素(As_2O_3),ガリウムヒ素(GaAs),酸化クロム(Cr_2O_3),酸化ニッケル(NiO)及びpositive controlとしてB(a)Pをハムスターの気管内に投与し、慢性影響について観察を行った。その結果、GaAs群で生存率の有意な低下が認められたが、呼吸器官および他部位の腫瘍の発生率について各群とも対照群と比べて有意な差はなかった。As_2O_3,Cr_2O_3およびNiOの明確な慢性影響は認められなかったが、GaAsの全身性の障害が示唆された。
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