研究課題/領域番号 |
63480179
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
村山 忍三 信州大学, 医学部, 教授 (90020718)
|
研究分担者 |
奥山 周作 信州大学, 医学部, 助手 (40152441)
那須 民江 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
NASU-NAKAJIMA Tamie
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | エタノ-ル / 肝障害 / 過酸化脂質 / 炭水化物 / γ-グルタミルトランスペプチタ-ゼ / トリグリセライド / トランスアミナ-ゼ / グルタチオン / 蛋白質 / 脂肪 / コレステロ-ル / アルコール性肝障害 / チトクロームPー450 / 赤血球溶血反応 |
研究概要 |
ラットを用いた実験において、低糖質食によってアルコ-ル性肝障害が増強されることが判明した。その一つの機構として、低糖質食→MEOSの活性亢進およびグルタチオンの減少→アルコ-ル代謝の亢進、活性代謝物の生成増大、解毒機能の低下→過酸化脂質や中性脂肪の蓄積→アルコ-ル性脂肪肝の促進、が推察された。このような現象が人間集団において観察されるか検討するために、男2165人(平均年齢は50.0±10.3)を対象として調査した。1.アルコ-ルの摂取の増加に伴いγ-GTP値が上昇した。各年齢別にみると、20歳代を除く各年齢におけるこの上昇は他の年齢層の上昇に比較するとゆるやかであった。アルコ-ル摂取量の増加に伴いGOTとGPT,GOT/GPT値トリグリセライド(TG)値およびHDL-コレスレロ-ルが上昇した。20歳代を除く全年齢層においてHDL/LDL比が減少した。しかし総コレスレロ-ルはアルコ-ルの影響を受けなかった。 2.アルコ-ルの摂取量の増加に伴い炭水化物源の摂取量が減少した。しかし蛋白質と脂肪の摂取量はアルコ-ルの影響を僅か受けるのみであった。炭水化物、蛋白質および脂肪エネルギ-比はいずれもアルコ-ル摂取の増加に伴い減少したが、炭水化物エネルギ-比の減少は他の栄養素の減少に比較するとはるかに大きかった。 3.20歳代において一般に糖質はγ-GTPと負の相関関係をもつが、30歳代においてはγ-GTPの上昇にたいする糖質の影響はあまり認められなかった。40歳代と50歳代においては一般にγ-GTPの上昇と糖質の間に負の相関関係が認められた。60歳代においてはγ-GTPの上昇と糖質の摂取との間に若干負の相関関係が認められた。一方蛋白質と脂肪は20歳代においてのみγ-GTPと正の相関関係を示した。以上より、糖質がアルコ-ル性肝障害の進展に影響を及ぼすが、蛋白質と脂肪の摂取はほとんど影響を与えないことが推察された。
|