研究課題/領域番号 |
63480196
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
鎌谷 直之 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (00114447)
|
研究分担者 |
河井 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手
箱田 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70208429)
山中 寿 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10166754)
河合 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60152899)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1988年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 遺伝病 / プリン代謝 / 進化 / 突然変異 / 分子生物学 / 連鎖 / 尿路結石症 / 腎不全 / 腎不全症 / 代謝病 / 遺伝子病 |
研究概要 |
本年度はAPRT^*J遺伝子の保因者を遺伝子診断する方法の開発、一般的なAPRT欠損症のヘテロ接合体を診断する方法の開発を行ない成功した。さらに、APRT^*J対立遺伝子近傍のRFLP(restriction fragment lenght Polymorphi)のデ-タを数多く集めAPRT^*J突然変異の塩基置換とRFLPとの連鎖不平衡の解析により、APRT^*Jのすべての遺伝子が共通祖先遺伝子に由来するとした時の年齢を計算した。まず、PCR法を用いてヒトAPRT遺伝子の一部(exon3.4.5を含む)を増幅し、合成oligonucleotideとのhybridizationによりAPRT^*Jの突然変異があるか否かを確実に診断する方法を開発した。これは、血液一滴からできるので、今後応用範囲が広いと推定される。さらに我々は正常人に見られる体細胞突然変異を利用してAPRT欠損症のヘテロ接合体を診断する極めて巧妙な方法を開発した。即ち、APRT欠損症のヘテロ接合体の体内では体細胞突然変異によってホモ接合体となった細胞が末梢血T細胞集団中に1.3×10^<-4>もの高い頻度で証明される。正常人には1がO^<-9>レベルでしかこのような細胞はなく、ヘテロ接合体と明らかに区別される。この方法は前述の遺伝子診断法よりもはるかに煩雑であるが、APRT^*Jの保因者だけではなく、すべてのAPRT欠損遺伝子の保因者を診断できるという特長を有する。色々の証拠よりAPRT^*J遺伝子が共通祖先遺伝子に由来することはほぼ確実なので、その仮定の下に近傍のRFLP部位との連鎖不平衡の解析により、APRT^*J遺伝子の成立は約13万年前と推定された。これは驚くべき古さであるが、その仮説を実証することは可能である。近傍のアジア人種と日本人祖先の分離した時期はまだ確実ではないが、今後の遺伝子解析により、より確実なデ-タが得られるようになるであろう。そのような集団に、APRT^*Jあるか否かを検索することができる。我々の今回開発した方法は、一滴の血液サンプル可能であり、そのような研究は実際的である。
|