研究課題/領域番号 |
63480203
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
太田 康幸 愛媛大学, 医学部, 教授 (40033055)
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研究分担者 |
堀池 典生 愛媛大学, 医学部, 助手 (90173624)
道堯 浩二郎 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (50209798)
恩地 森一 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (10112260)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | HBVDNA / PCR(Polymerase chain reaction) / Mutation / PCR / mutation / B型慢性肝炎 / PCR法 |
研究概要 |
我々はB型慢性肝炎から肝硬変への進展に際し、亜小葉肝細胞壊死の重要生について報告してきた。この肝細胞壊死は、B型肝炎ウイルス(HBV)感染肝細胞に対する宿主側の免疫応答に起因していることもその後明確となった。しかしながら、以上のような機序でHBV感染肝細胞が排除されても、再びHBVが増殖し、免疫応答の結果としての肝細胞壊死が繰り返す機構については明らかでない。今回、我々は、急性憎悪を繰り返す肝炎症例の憎悪期の血中HBVのC領域(細胞障害性T細胞の標記抗原)のmutationの有無について分子生物学的解析を試み、ウイルスのmutationの面から肝炎の憎悪の機序につてい検討した。 B型慢性活動性肝炎2例の急性憎悪期の血清からHBV-DNAを抽出し、それぞ4クロ-ンを選びその塩基配列を決定した。症例1は一回目の急性憎悪期にはHBeAg陽性で二回目の急性憎悪期にはanti-HBeが陽性の症例で、症例2はHBeAgW 持続陽性の症例であるが、2例共consensus sequenceと比べいくつかのpoint mutationを認めたが、それぞれの急性憎悪期で塩基配列に変化はみられなかった。各急性憎悪期において比較検討したcloneが4clonesずつと少ないため、大部分のクロ-ンではmutationが起こっていなくても、少数のクロ-ンでmutationが起こっている可能性は完全には否定できないが、現時点ではmutationによりシュ-ブが出現するとの仮設は否定的であると考えざるをえない。しかしながら、16clonesすべてにおいて1896番目のGがAに置き変っており、そのためにpre-C領域のN末端28番目のアミノ酸残基のcodonが‘TAG'のstop codonに変っていた。これらの症例では、wild-typeのHBVとそのmutantが共存しており、少数のwild-typeのHBVがHBe抗原を産生していると考えられる。したがって、wild-typeのHBVとそのmutantの数の相対的比率で、血中のHBe抗原陽性かHBe抗体陽性かが決定されると推定された。
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