研究課題/領域番号 |
63480215
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高守 正治 金沢大学, 医学部・附属病院・神経内科, 教授 (60039815)
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研究分担者 |
奥村 誠一 金沢大学, 医学部・附属病院・神経内科, 助手 (60152435)
井手 芳彦 金沢大学, 医学部・附属病院・神経内科, 講師 (10100835)
松原 四郎 金沢大学, 医学部・附属病院・神経内科, 講師 (00143884)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 重症筋無力症 / アセチルコリン受容体 / 合成ペプチド / 受容体分子構造 / 免疫細胞 / 抗体 / 疾患モデル / B細胞認識 / T細胞認識 / 抗アセチルコリン受容体抗体 / T細胞 / B細胞 |
研究概要 |
重症筋無力症病態解明と新しい治療法開拓のため、本病成立にかゝわる免疫反応の標的であるアセチルコリン受容体(AChR)を分子レベルから研究した。1.重症筋無力症発病機構の中で主役の一つを演ずるブロッキング抗体(AChRとAChとの結合阻事作用)のAChR分子構造上の標的を、一連のアミノ酸配列の中のα183ー200領域と特定、その合成ペプチドは高いACh結合能を有し、また本ペプチドを抗原としてラットを免疫すれば、疾患モデルを作出しうることを証明した。この領域に対する抗ペプチド抗体は、ヒト筋無力症患者血中にも証明できた。本領域の合成ペプチドを固定化した吸着剤と、体外楯環中の患者血液とを反応させ(処理後の血液は再び患者体内へ還流)、有意な臨床効果を得、分子レベルからの本病治療に資した。2.筋無力症発病機構の中でのもう一つの主役であるバインディング抗体(AChR崩壊促進、補体介右性細胞膜破壊作用)のAchR分子構造上の標的として、α67ー76,α70ー90,α125ー147を推定、それぞれの合成ペプチドを抗原としてラットを免疫、疾患モデルを作出し得、これを実証した。各領域に対する抗ペプチド抗体は、ヒト筋無力症血中にも証明でき、将来の免疫吸着療法の具体化に展望をひらいた。3.抗体産生ヘルパ-T細胞認識領域としてAChRαサブユニットのアミノ酸配列の中から、ヒトの場合19カ所を特定したが、抗体反応領域とは一致していなかった。4.重症筋無力症発症は、AChR分子構造の中で、βタ-ン構造をとるB細胞認識領域と、αヘリックス構造のT細胞認識領域の、両領域の免疫学的連係認識の上に成立するとの観点から、両者を種々のかたちで連結したり、人工的配列のアミノ酸を両者間に介在せしめたモデルペプチドを合成、より高い免疫原性、より強い抗体認識性を示す人工的な分子立体構造を特定して、特定の治療用人工抗原材製に資ずる情報を得た。
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