研究課題/領域番号 |
63480226
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
外山 淳治 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20023658)
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研究分担者 |
神谷 香一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50194973)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (30124720)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | Fura2 / 階段現象 / 心筋細胞 / 膜電位振動 / サルコメア / 細胞内Ca^<2+>濃度 / 酸化的燐酸化 / 筋小胞体 / 張力階段現象 / 心室筋細胞 / モルモット / ラット / Ca^<2+>感受性色素Fura2 |
研究概要 |
Calcium(Ca^<2+>感受性色素Fura-2とVideo-Cameraシステムを用いて、単離心室筋細胞の収縮弛緩に伴う細胞内Ca^<2+>動態と細胞長変化を同時に観察し、張力段階現象の発現機序及び酸化的燐酸化再開時の不整脈の発現機序について検討した。 1.階段現象の機序;細胞を静止させた後に1Hzの刺激の再開すると、モルモット心室筋細胞では、細胞短縮振幅と収縮期と拡張期[Ca^<2+>]iのいずれもが、刺激再開後数拍にわたって段階的に増加した。ラット心室筋細胞の場合は、細胞収縮振幅と収縮期[Ca^<2+>]iは刺激再開後の数拍にわたって段階的に減少し、拡張期[Ca^<2+>]iは一定のままであった。縮小胞体阻害薬Ryanodine添加後、同様の実験を行うと、モルモット心筋細胞では、刺激再開後の細胞収縮振幅及び[Ca^<2+>]iの動態は添加前と比べてほとんど変化はなかったが、ラット心筋細胞の場合は、刺激再開後の細胞収縮及び収縮期[Ca^<2+>]iは、添加前に比べ著しく減弱あるいは低下した。以上の結果より、モルモット心筋細胞にみられる正の張力階段現象には細胞質内のCa^<2+>蓄積が関与していること、ラット心筋細胞にみられる負の張力階段現象には、筋小胞体からのCa^<2+>放出量の変化が関与していることが示唆された。 2.酸化的燐酸化再開後の不整脈の発生機序;モルモット心筋細胞を酸化的燐酸化の脱共役剤DNPで5分間表面潅流した後に洗い流すと、約1分後に収縮期、拡張期[Ca^<2+>]iの著しい上昇が生じた。さらにこのとき、多くの細胞において、時間的空間的に不均一なサルコメア収縮が発生し、収縮領域に一致した細胞内の限局性の[Ca^<2+>]i上昇がみられ、同時に、細胞膜電位の振動性脱分極が観察された。筋小胞体阻害剤Ryanodine存在下で同様の実験を行うと、このような不均一なサルコメア収縮と膜電位振動はほとんど抑制された。以上の結果より、酸化的燐酸化再開時の膜電位振動の発生には、筋小胞体からのCa^<2+>放出が関与することが示唆された。
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