研究課題/領域番号 |
63480227
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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研究分担者 |
星田 四郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
門馬 正明 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助手 (80150340)
乾 誠 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
星田 四朗 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 再灌流心筋障害 / 活性酸素ラジカル / アラキドン酸リポキシゲナ-ゼ代謝 / 電子スピン共鳴法 / 培養心筋細胞 / 再酸素化障害 / 再酸素化心筋障害 / 活性酸素 / フリ-ラジカル / スピントラップ / アラキドン酸リポキシゲナーゼ代謝 / 化学発光法 |
研究概要 |
再灌流心筋障害は、再酸素化時に心筋組織あるいは活性化された白血球より生じる活性酸素ラジカルが膜脂質の過酸化反応を通じて心筋壊死進展の病態進行を増幅することにより招来される可能性が示唆されている。本研究は、(1)単離培養心筋細胞を用いた低酸素-再酸素化モデル、(2)成犬冠動脈閉塞モデルという2つの実験系を用いて、心筋細胞障害進展における活性酸素ラジカルの役割を追究し、心筋梗塞治療法の基礎的検討を目的をした。培養細胞系のモデルでは、再酸素化により心筋細胞障害は却って増大し、この際、電子スピン共鳴スピントラップ法、化学発光法により測定した活性酸素ラジカルの著明な産生亢進がみられた。同時に、活性酸素ラジカルの発生源となりうるアラキドン酸リポキシゲナ-ゼの代謝物質の産生増大も認められた。これら代謝動態は、心筋細胞障害の出現率と正の相関を示した。活性酸素ラジカル消去剤、リポキシゲナ-ゼ阻害剤は共に細胞障害の出現を抑制し、活性酸素ラジカルの産生を顕著に低下させた。一方、実験的心筋梗塞モデルでは、虚血心筋組織において冠動脈再灌流後数時間持続する活性酸素ラジカル産生が電子スピン共鳴スピントラップ(急速凍結)法により検出された。リボキシゲナ-ゼ阻害剤の投与により、このラジカル産生が抑制されると共に心筋梗塞の壊死進展が著明に抑制された。以上より、リポキシゲナ-ゼ代謝亢進が活性酸素ラジカルの生成と密接に連関して、虚血・再灌流心筋障害の進展に深く関与する可能性を示唆している。
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