研究課題/領域番号 |
63480232
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
橋場 邦武 長崎大学, 医学部, 教授 (40039483)
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研究分担者 |
満岡 孝雄 長崎大学, 医学部, 助手 (50159167)
木谷 文博 長崎大学, 医学部, 講師 (20108301)
深谷 眞彦 長崎大学, 医学部, 講師 (70039551)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | paroxysmal atrial fibrillation / atrial extrastimulation / intraーatrial catheter mapping / repetitive atrial firing / fragmented atrial activity / intraーatrial conduction delay / fractionated atrial electrogram / disopyramide / 発作性心房細動 / 心房電位波形 / repetitive atrial firing(RAF) / fragmented atrial activity(FAA) / intra-atrial conduction delay(IACD) / 臨床心臓電気生理 / 心房筋受攻性 / 心房期外刺激法 / 心房内電位波形異常 |
研究概要 |
発作性心房細動(PAF)は頻度の高い重要な不整脈であるが、発作性上室性頻拍と比較するとその臨床電気生理学的な知見には乏しい。そこで、PAF例の心房筋の臨床電気生理学的な特性について検討し、さらに、得られた諸指標を用いて臨床電気生理学的な薬効評価を行った。 1)発作性心房細動の発作歴のある40例(PAF群)と発作歴がない56例(対照群)について、右房内12点の洞調律時心房電位の記録を行い、心房電位の幅と棘波の数を測定した。その結果、(1)各症例における心房電位の最大幅と最多棘波数は、PAF群で有意に大で、この2つの指標は正相関した。(2)対照群の測定値をもとに異常電位を電位幅100ms以上あるいは棘波数8以上とすると、PAF群に多く出現し、sensitivity 70%、specificity 79%、positive predictive value 70%であった。また、この異常心房電位の1症例当たりの出現数もPAF群に有意に多かった。 2)PAF群40例と対照群81例について、心房期外刺激法にて心房筋受攻性を示す諸指標を検討した。その結果(1)repetitive atrial firing(RAF)fragmented atrial activity(FAA)、intraーatrial conduction delayの出現率はPAF群で対照群よりも有意に大であった。(2)また、これらの諸指標が誘発される心房期外刺激の連結期の幅(誘発域)もPAF群が対照群よりも大であった。以上の1)および2)の所見は、発作性心房細動例の心房筋の電気生理学的特性を示し、発作性心房細動の予知や薬効評価の指標となりうると考えられる。 3)PAF群33例について、心房期外刺激法による諸指標を用いたdisopyramideの薬効評価を行った。心房筋有効不応期は延長し、PAFおよびFAAの誘発域は縮少する例が多く、心房内伝導時間は延長する例が多かったが、各指標は相互に関連ある変化を示したことから、薬効評価の指標としての有用性があると考えられる。
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