研究課題/領域番号 |
63480254
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
久保 敦司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90051771)
|
研究分担者 |
中村 佳代子 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20124480)
小平 進 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00110015)
橋本 省三 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40050348)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | モノクロ-ナル抗体 / RI標識 / 薬理動態 / 血中抗原 / インタ-フェロン / 鉄キレ-ト剤 / 大腸癌 / CEA / 鉄剤 / リンパ節 / ラジオアイソトープ / 腫瘍特異性物質 / 放射線内用療法 / 神経芽細胞腫 / 肝細胞癌 / カテユールアミン / AFP |
研究概要 |
腫瘍に特異的に集積する物質をラジオアイソト-プにて標識して投与し、組織内照射により腫瘍のみを局所的に治療するタ-ゲティング療法を行なうにあたり、この特異的物質が腫瘍に到達する過程で影響を受けるファクタ-を検討した。腫瘍特異物質として癌に関連したモノクロ-ナル抗体を使用し、ヒトの癌を植え付けたヌ-ドマウスを実験動物として用い、更に大腸癌の患者にこれを臨床応用した。 動物実験では血中抗原は投与抗体と結合し抗体が腫瘍に集積することを阻害したが、この現象は臨床応用では認められず、血中のCEA値が高くとも腫瘍シンチグラフィの画質、抗体の血中クリアランス、尿排泄などに影響を与えなかった。臨床応用では腫瘍への抗体集積量が非常に低く、この点を改善する対策方法としてインタ-フェロンを同時に投与する方法を提唱した。本法の効果は腫瘍組織の抗原発現を増加するなど動物実験で既に証明され、臨床応用は現在アメリカ国立癌センタ-にて施行されている。鉄キレ-ト剤を同時に投与した場合にも抗体の血中クリアランスを早めたが、更に興味深いことに、これらのキレ-ト剤の効果が正常と担癌マウスとで異なっていた。この結果は標識抗体の生体内挙動が担癌マウスと正常マウスとで異なっていることを示唆しており、標識抗体にて治療最中の患者については抗体の動態を充分注意して検討する必要のあることを意味している。 治療を目的として標識抗体を患者に応用するにはこれらの多くのファクタ-を検討するほか、動物実験と臨床応用との間にみられる矛盾を検討する必要がある。
|