研究課題/領域番号 |
63480263
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
栗田 広 (栗田 廣) 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 部長 (30010466)
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研究分担者 |
三宅 由子 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (60157617)
加我 牧子 国立精神, 神経センター精神保健研究所, 室長 (20142250)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 発達退行 / 崩壊精神病 / 崩壊性障害 / 自閉症 / 広汎性発達障害 / 評価尺度 / 診断 / 疾病分類 / 発達障害 / 自閉傾向 |
研究概要 |
研究遂行のために3つの評価尺度を開発した。第1は小児自閉症評定尺度東京版(CARSーTV)であり、内的整合性係数(α)は0.87であり、15項目の平均評価者間信頼性係数は0.62であった。DSMーIII診断区分を基準とした分類的妥当性も十分な水準であった。第2東京自閉行動尺度(TABS)であり、そのαは0.78で、分類妥当性も十分であった。第3は自閉傾向に関するチェックリスト(CAT)であり、折半法による信頼性と臨床診断を外的基準とする併存的妥当性などは十分であった。 自閉症以外の広汎性発達障害(PDDNOS)群(57例)のCARSーTV総得点(M=28.9)は、IA群(39例)のそれ(M=31.9)より有意に低く、CARSーTVの15項目のうちVII「視覚的反応性」とXV「全般的な印象」で、PDDNOSはIAよりも異常の程度が有意に軽かった。またPDDNOS群(33例)のTABS総得点(M=65.3)は、IA群(18例)のそれ(M=74.7)よりも有意に低く、TABSの39項目中9項目でPDDNOSはIAよりも異常の程度が有意に軽かった。 15人のDP児(M=6.1歳)と性と年齢を釣り合わせた30人のIA児(M=63歳)の間で比較が行われた。DPは言語消失を伴うIAよりも、退行前の対人関係と社会性の程度および排尿の自立度が有意に高かった。精神発達の水準はDPでIAよりも有意に低かった。IQに測定された41人の児童ではIQはDP(M=38.9)でIA(M=47.7)よりも低い傾向があった。 PDDNOSは、IAよりも自閉傾向は軽く精神遅滞も軽い傾向があり、より異種の群である。崩壊障害(DPの新名祢)は、ICBー10草稿の診断基準では少なくとも2歳までの精神発達は明らかに正常とされている。これは少なからぬ報告例や本研究の結果と矛盾し、退行前の発達は “正常か正常に近い" という表現が残されるべきである。
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