研究課題/領域番号 |
63480271
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河野 典夫 大阪大学, 医学部, 講師 (30093412)
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研究分担者 |
川知 雅典 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
山田 祐也 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
清水 孝郎 大阪大学, 医学部, 助手 (40206199)
桑島 正道 大阪大学, 医学部, 助手 (00205262)
篠村 恭久 大阪大学, 医学部, 助手 (90162619)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 尿酸 / ヒポキサンチン / グリコ-ゲン病 / 高尿酸血症 / ミオパチ- / 運動 / オキシプリン / 筋原性高尿酸血症 / プリン体代謝 / ミオパチー / グリコーゲン病 / ミトコンドリア脳筋症 / 甲状腺機能低下症 / 電解質異常 / 運動負荷試験 |
研究概要 |
研究代表者は、筋グリコ-ゲン病に合併する高尿酸血症の分析を通じて「筋原性高尿酸血症」という新しい病態概念を提唱してきた。これは、骨格筋から放出される筋原性物質を素材として尿酸合成の亢進に基づく高尿酸血症であり、基本病態は「筋収縮エネルギ-産生不全(energy crisis)に起因する筋プリンの異化亢進」にある。そこで、この疾患概念を確立するため、初年度は種々のミオパチ-患者を対象に本病態の広がりを分析した。その結果、甲状腺機能低下症の一部、副甲状腺機能低下症、低カリウム血症の一部に、アンモニア、ヒポキサンチンの過剰産生を観察し、運動筋のプリン異化亢進を認めた。一方、薬剤性ミオパチ-、多発性筋炎、高カルシウム血症患者では、筋プリンの異化亢進は認めなかった。また、ミトコンドリア脳筋症であるKearns-Sayre症候群では、好気的運動の際に筋プリンの異化亢進を認めた。この成績は、Kearns-Sayre症候群では嫌気的代謝には障害がないことは符号する。 ついで筋グリコ-ゲン病患者を対象に、エネルギ-産生能が改善するば筋原性高尿酸血症の発現が解除されるか否かを検討した。グリコ-ゲン病V型(筋ホスホリラ-ゼ欠損症)ではグルカゴン注射あるいはグルコ-スの点滴により筋収縮エネルギ-産生不全が回避される。この状態で自転車エルゴメ-タ運動を行なうと、筋プリンの異化亢進は改善されることが明らかになった。ラットを用いた検討でも、電気刺激による強制筋収縮によって筋プリン分解の亢進することが証明された。阻血収縮下では、ATPは白筋で著減するが、赤筋ではそれほど減少せず、筋線維によりenergy crisis程度の異なることが明らかになった。以上、本研究により、筋原性高尿酸血症は筋エネルギ-産生不全に基づく筋プリンの異化亢進を基本病態とする続発性高尿酸血症であることが明らかになった。
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