研究概要 |
微量の試料から多種のステロイドホルモンの同時分析を行ない新生児未熟児先天性副腎皮質過形成のステロイド分泌パタ-ンの検討を行った。先ずステロイド分析の正確な測定系を開発した。血漿100μlからステロイドをエ-テルで抽出し抽出佛をNS-Gol C_<18>カラムと移動相として水:メタノ-ル逆相分配系を用いる高速液体クロマトグラフィ-にて3β-hydroxy-5eneステイロド(pregnenolone,17hydroxy pregnenolone dehydroepiandrosterone)、3-oxo-4eneステロイド(pregeenolone,17hychoxyprogeisterone,11-dooxycortisol,21-dooxycortisol,cortisol,deoxycortcosterone)、androgen(androstenedione,testosterone)、およびestrogen (estrone,estradiol)の分取を行った。各ステロイド分画を各々のradio-immuroassayにより定量した。測定感度1pgと高感度で正確な多種ステロイド同時分析系を確立することができた。 正常新生児では上記ステロイドホルモンに男女差はなく、cortisolは男児270±17女児240±21(M±S,D)nM/Lであった。3β-hydroxy-5eneステロイドでは17hydioxypregnenoloneが男児8.03±0.61、女児8.10±0.32(MIS,D.)nM/Lと最も高値を示した。未熟児ではpregnenolone,17hydroxypregnenolone,progesterone,17hydioxyprogesterone,11-deoxycortisol,cortisalのpregnenoloneからcortisalまでの全ての中間ステロイドが正常新生児より明らかに高値を示した。未熟児でみられる17hydroxy-progesteroneの高値はこれまでいわれている21-hydioxylareの一過性の低下でなくストレス下にある未熟児でpregnenoloneからcortisalまでのステロイドが増加することに原因することを明らかにした。先天性副腎皮質過形成ではcortisolは定値でprogesterone,17hydioxyprogesterone,3β-hydioxy-5eneステロイド,andiogen,estrogenの高値が認められた。cortisolによる治療により、cortisolは正常化しても、一部ではestrogen,testosterone,dehydroepiandrosteroneが高値を持続し、成長促進や二次性微発現の可能性を示した。瀘紙血を用いても上述の方法により先天性副腎皮質過形成の診断が可能であった。
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