研究課題/領域番号 |
63480283
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
水戸 廸郎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60000981)
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研究分担者 |
河野 透 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60215192)
加藤 一哉 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70175280)
草野 満夫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70091569)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 肝再生 / 迷走神経肝臓枝 / ニュ-ラル-トレ-サ- / 背側核 / 視床下部外側野 / フロ-サイトメトリ- / マイクロダイアリシス / 網内系 / 生体制御機構 / 迷走神経背側核 / 神経標識物質 / モノアミン / マイクロダイアリシス法 / 生体制御 / 肝細胞増殖 / 延髄の背側核 / 肝切除 / 脾内肝細胞移植モデル |
研究概要 |
肝再生は肝組織の欠損、肝細胞障害時にみられる代償修復現象である。この肝再生を促進し、肝機能の早期回復を計ることが急性、慢性肝障害の治療の中心となる。本研究は肝再生は中枢神経を中心とした各生体反応系と肝の局所的制御との有機的な連係調節機構に支配され、それによって発現される生体の応答現象、すなわち肝再生現象を従来の概念とは全く異にする“生体の恒常性破綻に対する生体および局所的反応"という新しい概念に基づいたものである。今回、組織学的及び電気生理学的検索により、肝臓・延髄・視床下部の線維連絡を機能的に証明し、肝臓と延髄迷走神経背側核、背側核と視床下部との間の独立した閉鎖神経回路網の存在を明らかにした。この事実から背側核から肝臓への出力が肝臓からの求心性信号によってもフィ-ドバック的に調節されている可能性が示唆された。さらに迷走神経肝臓枝の上位中枢である視床下部外側野に着目し、肝部分切除後早期の再生過程にともなうモノアミン代謝も解析し、視床下部外側野におけるセトロニン代謝が、肝部分切除後早期の再生過程において亢進していることも証明し得た。一方、肝再生時に肝臓の支配神経細胞と門脈系肝臓支配神経細胞の活動との相関を認めた。この事実から門脈系臓器由来のInsulin・小腸由来因子など体液性因子の関与も示唆された。この体性因子ついては宿主肝肝切除後の脾内移植肝細胞の増殖促進、クッパ-細胞の網内系賦活による再生促進現象として追試確認しえた。肝再生は自律神経系を中心とした中枢と、肝と門脈系の局所因子との二重制御機構支配下の現象であること、そして中枢神経系がその「初期認識」「始動」に関与していること、再生維持には神経性因子以外に種々体液性因子などが関与していることが明らかとなったが、これらの相互作用については今後さらに検討する必要がある。
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