研究課題/領域番号 |
63480304
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大柳 治正 神戸大学, 医学部, 助教授 (00030958)
|
研究分担者 |
高井 義美 神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)
斎藤 洋一 (斉藤 洋一) 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
山本 正博 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40166822)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
|
キーワード | 胆汁酸 / 大腸発癌 / GTP結合蛋白質 / 低分子量G蛋白 / 単離膵腺房細胞 / 大腸粘膜上皮細胞 / 大腸癌 / ホスホリパーゼC |
研究概要 |
大腸癌の発生過程における胆汁過程における胆汁酸のプロモ-タ-としての作用機構の解析が本研究の目的であり、モデル細胞としてラットから正常大腸粘膜上皮を採取しその初代培養系の確立に努めた。結果として上記の検討に耐える培養系を確立することが困難であり、当初に計画した大腸粘膜上皮細胞培養系による胆汁酸の作用機構の検討が不可能であった。 そこで,胆汁酸の正常細胞の細胞膜受容伝達機構に対する作用を解析するモデル細胞としてラットの単離膵腺房を選択し、その細胞膜受容伝達機構に対する胆汁酸の作用機構を検討した。胆汁酸は大腸粘膜上皮細胞の増殖反応におけるプロモ-タ-作用と同じメカニズムでこの系で作動していると考えられ解析を進めた。その結果細胞内受容伝達機構におけるGTP結合蛋白質(G蛋白質)によるフォスホリパ-ゼGの活性化反応に胆汁酸が作用している可能性が高いと推定された。最近、大腸癌や膵癌の発癌過程において重要な役割を果たしていること考えられているras癌遺伝子の遺伝子産物も、G蛋白質であることが報告されている。ほとんどすべての細胞内には数多くのras癌遺伝子産物の類似物質(低分子量G蛋白質)が存在することが明らかになってきており、胆汁酸と低分子量G蛋白質の相互作用を解析することが本研究の突破口となると考えられた。そこで、これらの低分子量G蛋白質の大腸粘膜における動態と、胆汁酸作用時のそれらの変化を解析する目的で、精製がもっとも容易であると考えられたラットの肝臓より低分子量G蛋白質の分離精製新しい低分子量G蛋白質を数種類単離精製し、クロ-ニングを行いそのモノクロ-ナル抗体を作成中である。今後は引き続きこれらの一連の低分子量G蛋白質のモノクロ-ナル抗体を作成したい。それらを利用して胆汁酸作用時の低分子量G蛋白質の大腸粘膜おおける動態をin vivoで検討し、昨年度までの結果と合わせて解析を進める予定である。
|