研究課題/領域番号 |
63480323
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
大石 喜六 久留米大学, 医学部, 教授 (30080766)
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研究分担者 |
久富 光一 久留米大学, 医学部, 助手 (10183576)
安藤 文彦 久留米大学, 医学部, 助手 (80184323)
山名 一有 久留米大学, 医学部, 助手 (60158235)
磯村 正 久留米大学, 医学部, 講師 (30140643)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 心筋細胞 / 培養 / Cardioplegic solution(CS) / アルブミン / in vitro / 心筋培養 / Cardioplegia(心筋保護) / Crystalloid Cardioplegic solution |
研究概要 |
開心術に使用するcardioplegic solution(cs)の改良を目的にin vitro実験モデルを作製し、種々の培養心筋細胞に対する影響を観察し、臨床応用のデ-タを比較検討した。 1.心筋細胞の培養:Jacobsonの方法を改良して、心筋細胞の分離培養を簡略化した。心筋細胞の分離には0.25%tripsin+0.5%collagenase(Type1)の酵素液、スタ-ラ-を用い、37℃、100rpmにて酵素作用、機械的作用により細胞の分離を行い、20%Fetal bovine serum(FBS)+Eagle'MEM培地(EMGM)にて効率的に心筋細胞の培養が可能であった。 2.CSの作製:従来より臨床で使用しているグルコ-スを含まないcrys talloid CS(C-CS)、グルコ-スを含むG-CS、更にこれに1%アルブミンを含むGA-CSを作製した。3.CSの培養心筋細胞に対する直接的作用:4℃に冷却したCSを培養液と置換し、各々のCSに対する心筋細胞のbeating停止率を観察し、さらにCSを再び20%FBS+EMEMへ置換した後のbeating数の回復の割合、beatingを停止したままの細胞の割合を観察し、細胞内小器官の透過電顕による変化を見た。CSに作用後にbeatingを完全に停止する細胞の割合は、C-CS、G-CS、GA-CSの順に少なく、beatingの再開率はG-CS、C-CS、GA-CSの順に良好であった。また、beatingを全く再開しなかった細胞はG-CS群に最も多く、GA-CS群ではほとんどの細胞がbeatingを再開した。透過電顕所見においてもGA-CS群は、ミトコンドリアの状態が最も良好に保たれ、他の二群ではクリスタの消失が目立った。これらの事よりC-CS、GA-CSを臨床応用により比較すると、3ヶ月未満の乳幼児に対して、CS作用後の再潅流後の自然心拍動再開率はGA-CS群は100%とC-CS群に比較し、明らかに良好であった。本研究でのin vitroa modelを用いてのアルブミンを添加した改良CSは臨床的にも有用であり、今後アルブミンの至適濃度に関する検討が必要であると考えている。
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