研究課題/領域番号 |
63480328
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
黒木 瑞雄 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (00201476)
|
研究分担者 |
武田 憲夫 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (20150302)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 移植 / 下垂体 / 同種 / 同系 / サイクロスポリン / ACTH / プロラクチン / 脳 |
研究概要 |
下垂体摘出ラットに対し、免疫抑制剤であるcyclosporine(C)を使用した同系及び同種の下垂体移植を試み、その効果を形態学的、内分泌学的に検討した。また、同種移植に用いたラット系間における、異系の程度を免疫学的に検索した。下垂体を摘出したWistar-Imamichi rat(WIR)に対し、adultの同種Fischer 344rat(FR)または同系(WIR)下垂体をラット定位脳手術装置にて脳内(視床下部、基底核)へ移植した。実験群は、同種移植(1)C使用群(10mg/kg,im2週連日)、(2)C非使用群、(3)同系移植群(C非使用)、(4)shamope群の4つに分けた。移植後1ケ月及び9ケ月で各群の血中ACTH濃度をRIA法で測定、また、インスリン負荷を行った。更に体重、内分泌関連臓器重量、脳組織標本を検討した。組織標本はHE染色の他抗ACTH抗体および抗ラットプロラクチン抗体による酵素抗体染色を行い移植片を観察した。また異系移植群のWIR、FR間の混合リンパ球培養反応を観察しMHCの差の程度について観察した。〔結果〕1)血中ACTHは、同系皮下移植群、同種C非使用群(2)、及びsham ape群では何れの個体でも測定されなかった。一方同種C使用群(1)では、1ケ月:53.3±45.2pg/ml,9ケ月:79.3±40.0,また同系群(3)では、1ケ月:48.2±20.6、9ケ月:62.3±15.5とACTHが何れの個体でも有意に測定された。2)(1)群の移植1ケ月例においてインスリン負荷を行うと、ACTHが19.9→53.7と反応が観察された。3)副腎及び甲状腺の重量は(2)群は(1)及び(3)群に比し有意に小さかった。4)移植片は(1)(3)において9ケ月後も組織学的に脳内に生着しており、酵素抗体法によりACTH及びプロラクチン産生細胞がこの移植片内に多数同定された。5)混合リンパ球培養反応からWIRとFRは異種であることが確認された。〔結論〕下垂体摘出ラットにおいて、Cの使用により9ケ月後も同系とほぼ同じレベルで同種下垂体移植が成立し、視床下部との連絡も認められることが示された。
|