研究課題/領域番号 |
63480332
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
前田 達浩 杏林大学, 医学部, 助手 (50210993)
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研究分担者 |
竹内 一夫 杏林大学, 医学部, 教授 (80086462)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | brain tumor / tumor angiogenesis / immunohistochemistory / 実験脳腫瘍 / angiogenesis / 免疫染色 / 脳腫瘍 / 腫瘍血管新生 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
本研究では、既にマウス腎癌由来mKSA細胞マウス脳移植腫瘍モデルが脳内で増殖するにつれて、宿主側より腫瘍へ新生血管が導入される過程が観察された。そして、その新生形態には2種類あることが判明した。即ち宿主側より比較的太い血管が腫瘍中心部へ向かう直線状に新生する形態と、腫瘍周辺部に向かいらせん状に比較的細い血管が新生する形態であった。これらの形態学的変化は、Tumor angioggenesisと強く関連しており、免疫組織化学的に第VIII因子関連抗原の反応を検討すると、特に宿主側より腫瘍周辺部に向かうらせん状血管の内皮細胞に強い陽性像が認められた。一方宿主側からの血管新生の時期を継時的に検討を加たが、移植後3〜5日にて腫瘍内への増生が認められ、それらは、腫瘍周辺部の血管が先に新生する可能性が示唆された。血管新生時の腫瘍周辺部のgliaの変化は、形態学的には、腫瘍増殖のための比較的胞体の大きいastrocyteの出現はあるものの他の著変はないが、GFAPの反応性を見ると、腫瘍血管新生の強い宿主境界部ではGFAPの反応性がやや弱く、腫瘍血管新生の比較的弱い境界部では周辺のgliaのGFAPの反応性は強い陽性像を示した。以上の如くこれら腫瘍血管の増生の程度は宿主側のgliaの蛋白代謝に影響を及ぼしTumor angiogenesisは腫瘍の増殖、更には、その浸潤過程にも関係する可能性が示唆された。このように腫瘍の増殖には、明らかに血管新生が必須であり、その血管は宿主より導入されること、血管新生の形態には差異が認められることの他、腫瘍発育機序を解明する一つの所見と考えられる。
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