研究課題/領域番号 |
63480341
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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研究分担者 |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学部, 助手 (60191558)
藤原 桂樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10199383)
江原 宗平 大阪大学, 医学部, 助手 (40176780)
内田 淳正 大阪大学, 医学部, 講師 (40176681)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 悪性腫瘍 / 脊椎転移 / 骨シンチグラフィ- / staging system / 人工椎体 / 脊柱支持性 / 脊髄除圧 / 脊椎前方進入法 / 骨転移 / 生命予後 / 手術適応 / 人工椎体置換術 |
研究概要 |
1)脊椎転移の早期発見に有効な画像診断法。^<99m>Tc Phosphate骨シンチグラフィ-が最も鋭敏であった。レ線検査はシンチグラフィ-に比べ見逃しが多かった。2)骨転移の病期分類ならびに病期促進要因(risk factor)の追求。乳癌患者を母集団とし、骨シンチ上の転移巣を追跡した。その結果、骨移転は胸・腰椎と助骨からなる中枢骨格に始まり、頭蓋・骨盤・胸骨の中間骨格に拡り、四肢(末梢)骨格に達して最終病期となることが判明した。つまり脊椎転移は癌の全身播種のごく早期に起こり頻度も高いので、患者の余命とquality of lifeに重大な影響を及ぼすものであることが認識された。転移巣の骨融解像に血中の腫瘍マ-カ-活性などがrisk factorとして重要であった。3)脊椎転移に対する新しい手術法開発。従来の手術法が、放射線治療と同程度の効果しかあげられなかった理由を検討した。転移病巣が椎体にあるにもかかわらず椎弓切除をするために十分な除圧・病巣縮小にならず、かえって脊椎安定性を損いがちであるという結論を得た。剖検所見からもこのことが確かめられた。脊椎転移例に対する外科治療は前方進入による病巣切除と脊椎の安定性獲得が正しいという結論に達した。4)人工椎体の開発と椎体置換手術の工夫。アルミナセラミックス製の人工椎体を作成し、頸椎から腰椎に至るまで破壊椎体を置換する手術法を工夫した。人工椎体を正確に設置するための器具一式と確実な固定を可能にする即時重合骨セメントの応用が鍵となった。本法により十分な生体力学的強度が得られた。5)腫瘍再発や播種の抑制に有効な補助治療法の開発。人工椎体置換後の放射線照射と抗癌剤による胸腔・腹腔内洗滌が有効であると判明した。6)癌原発巣あるいは、腫瘍病理と手術有効性。ホルモン依存性癌や多発性骨髄腫に対する手術成績が優れており、効果も持続した。肺癌や肝癌・消化器癌の成績は劣った。
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