配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
1.シュワン細胞の培養 winter系ラットの新生児(生後1〜5月)の坐骨神経を使用し,シュワン細胞を培養した。培養時,線維茅細胞が混入し増加するため,シュワン細胞を移植するには2週間以内が適当と思われた。 2.神経再生の観察 ラット(体重250〜300g)の坐骨神経に15mmの神経欠損部を作製しここにシリコンチュ-ブを置いた。シリコンチュ-ブ内には(1)軟寒天,(2)フィブリンノリ,(3)コラ-ゲンゲルを充填してみた。各充填物質において,神経の再生状態を観察したが,特に有意の差は認められなかった。次に(1)EGF,(2)ソマトメジンの成長因子を各充填物質に添加してみた。しかし神経の再生には変化は生じなかった。 以上の実験の後,ラミニンを主成分とするゲル状物質(Basement Membrane MATRIGEL^<TM>)をシリコンチュ-ブに充填してみた。4週間後の観察では,チュ-ブ内に結合組識を認めまた一部にシュワン細胞を認めた。次に培養シュワン細胞をこのゲル状物質に含めシリコンチュ-ブに充填してみた。しかしゲル状物質単独の場合に比べ,有意の差は認めなかった。良好な神経の再生が得られなかった原因として,シリコンチュ-ブ内よりのゲル状物質の流出,シュワン細胞の変性消失,ゲル状物質そのものによる神経再生への障害などが考えられた。 今後培養シュワン細胞をシリコンチュ-ブ内に充填する方法の改善,培養シュワン細胞の変性の防止を中心に実験を進めたい。
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