研究課題/領域番号 |
63480361
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
和田 文雄 香川医科大学, 医学部, 教授 (20028385)
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研究分担者 |
松尾 雄志 香川医科大学, 医学部, 助手 (30093462)
西 望 香川医科大学, 医学部, 助手 (10145047)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 前立腺 / 増殖因子 / 無血清初代培養 / 肥大症 / 癌 / 転移 / 骨芽細胞 / 前立腺癌 / 細胞株 / TGF-β / 培養細胞 / 初代培養 / IGFーII / CHAPS / HBGF |
研究概要 |
正常前立腺細胞、前立腺腫瘍細胞の増殖および前立腺癌の造骨性骨転移における増殖因子の役割を明らかにする目的で、1)前立腺組織に存在する増殖因子の分析と精製、2)無血清初代培養法を用いた、前立腺細胞の増殖要求性の検討、3)前立腺癌細胞株の産生する増殖因子の同定とその生理的役割の検討を行った。ヒト前立腺組織中の主要な増殖因子は、ヘパリン結合性増殖因子(HBGF)であり、その含量は腫瘍、特に肥大症組織において増加していた。部分精製の結果から、この因子はHBGF-2(6FGF)であることが明らかとなった。前立腺癌組織中には、HBGF-2に加えて骨芽細胞増殖因子が存在していた。正常ラット前立腺の主要な増殖因子は、高分子量EGFとEGFであったが、精製標品の分析結果から、顎下腺EGFとは異なるプロセッシングを受けていることが示された。また、これらの増殖因子の含量は、正常ラット前立腺細胞の増殖と関連した変化を示した。ラット前立腺においては、去勢によりHBGF含量が増加する傾向を示した。ラット前立腺上皮および間質細胞の無血清初代培養法を確立し、その増殖要求性を調べた結果、上皮細胞の増殖はEGF、インシュリン、コレラ毒素、ダイズトリプシンインヒビタ-等により促進されたが、男性ホルモンは増殖促進効果を示さなかった。また、間質細胞は上皮細胞とは異なる増殖要求性を示した。高い転移能を有するラット前立腺癌由来細胞株AT-3は、培地中にIGF-II様因子と不活性型TGF-βを放出しており、各々、AT-3自身の増殖および、AT-3の転移と転移部位における骨芽細胞の増殖に関与している可能性がある。これらの結果から、ヒトおよびラット前立腺細胞の男性ホルモン依存性の増殖、前立腺腫瘍細胞の増殖、癌細胞の造骨性転移などにおいて、種々の増殖因子が重要な役割をはたしている可能性が示された。
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