研究課題/領域番号 |
63480364
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
梶野 徹 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (00161034)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1988年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 妊娠 / リン脂質 / リン脂質抗体 / HPLC / ELISA |
研究概要 |
正常婦人、正常妊娠三半期、重症および軽症妊娠中毒症、2SD以下の子宮内胎児発育遅延(IUGR)の各々15例の血中リン脂質分画の動態をHPLCにより検索し、各リン脂質分画に対する抗体をELISA法にて測定した。正常妊娠時、セレブロシド(CB)はほとんど変動なく、カルジオライピン(CL)、ホスファチジルイノシトル(PI)、ホスファチジルエタノルアミン(PE)、ホスファチジルコリン(PC)、スフィンゴミエリン(SP)は中期、後期に有意に上昇した。ホスファチジルセリン(PS)とライソホスファチジルコリン(L-PC)は初期より有意に低下し、後期まで継続した。正常妊娠後期に比し、重症中毒症例では、CB、PI、PS、SPは有意に低下し、CL、PE、PC、L-PCは変動がなかった。軽症例ではCB、PS、SPは有意に低下、PI、PEは有意に上昇し、CL、PC、L-PCは変動がなかった。IUGR例ではCB、PS、PC、SPは有意に低下、PEは有意に上昇し、CL、PI、L-PCは変動がなかった。リン脂質抗体に関して、正常婦人と比し、IgG抗体ではCB抗体は、正常妊娠全期、IUGR、軽症中毒症例において有意に高く、PI抗体は正常妊娠初期例にのみ有意に上昇していた。その他のリン脂質抗体に有意の変動は認めなかった。IgM抗体では、IUGR例において検索されたすべてのリン脂質に対する抗体が有意に観察された。IgA抗体ではCB抗体のみ観察され、正常妊娠中期・後期およびIUGR例に有意の抗体が認められた。まとめ:1、IUGR合併妊婦にリン脂質に対するIgM抗体の多クローン性の活性化が認められた。2、妊娠中毒症とリン脂質抗体の関連は明らかでなかった。3、妊娠中毒症およびIUGR合併妊婦での血中リン脂質の低下は、病態とどの様な関連があるのか、血液凝固系との関連も含め、今後検討すべき興味深い点である。
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