研究課題/領域番号 |
63480367
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷澤 修 大阪大学, 医学部, 教授 (30028443)
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研究分担者 |
古山 将康 大阪大学, 医学部, 助手 (00183351)
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | HCG / α鎖、β鎖 / CAGY領域 / ブル-スクリプトベクタ- / α鎖、β鎖、CDNA / 塩基置換 / アフリカツメガエル / Gly→Arg、Asp変換 / in vitro mutagenesis system / DNAシ-クエンス / in vitro transcription / アフリカツメガエル卵母細胞 / Enzyme-imonuro assay / 先天性TSH欠損症 / ヒト絨毛性ゴナドトロビン / point mutation / in vitro transcription and transletion |
研究概要 |
ヒト繊毛性ゴナドトロピン(HCG)は胎盤において大量に産生される糖蛋白ホルモンで黄体に働き妊娠の成立、維持に必須なステロイドホルモンの産生を刺激する。HCGを初め4種類のホルモンLH、FSH、TSHはいずれもα、β鎖の2つのサブユニットより構成され、α鎖は総てに共通であり、生理活性はβ鎖に由来する。β鎖のN末端より約30アミノ酸の部位にはCAGY領域と呼ばれるCy-N_2-Tyrの4アミノ酸配列が完全に保存され,この部位は4種類のホルモンにとり重要な構成部位であると考えられる。HCG産生におけるCAGY領域の重要性を調べるため:CAGY領域にmutationを有した。mutant HCGを分子生物学の手技を用いて作製し、mutstionのHCG産生に及ぼす影響について調べた。α鎖、β鎖のCDNAをブル-スクリプトベクタ-に挿入し、塩基置換によるmutant HCG β CDNAを作成した。RNAポリメレ-スを用い、α鎖、β鎖、mutantβ鎖のCDNAに対応するmRNAを合成した。合成したα鎖とβ鎖及び、α鎖とmutantβ鎖のmRNA混合物をアフリカツメガエルの卵母細胞に1細胞当たり50nl/0.5μg/μlの割で注入し、卵母細胞の培養上清におけるHCG量をEnzyme-immuna assayにより測定した。α鎖と正常β鎖の合成mRNAを注入した卵の培養上清中には、5mlU/mlのHCGを認め、このHCGはラットの精巣間質細胞のテストステロン分泌を亢進する生理活性を有していた。CAGY領域のAI_2→Aspの変換では培養上清中のHCG値いは5mlU/mlと変化は認めなかった。Gly→Arg及びGly→Aspの変換では培養上清中のHCG値はいずれも0.5mlU/ml異化の1/10以上の低下を示した。Gly→Argの変換は「富井」らの報告した先天性TSH欠損症における、TSHβ鎖に認められるものと一致しており、CAGY領域の中でも特にGlyの部位におけるmutationがHCG産生に重大な影響を及ぼす事が判明した。
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