研究課題/領域番号 |
63480369
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 仁雄 九州大学, 医学部, 教授 (40038766)
|
研究分担者 |
堀本 直幹 九州大学, 医学部, 医員
佐藤 昌司 九州大学, 医学部, 助手 (00225947)
井上 充 社会保険佐賀病院, 医長 (20138332)
小柳 孝司 九州大学, 医学部, 助教授 (30136452)
下川 浩 九州大学, 医学部, 講師 (30128037)
堀 栄一 九州大学, 医学部, 助手 (40199518)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | ヒト胎児(Human fetus) / 個体発生(Ontogeny) / REM睡眠(REM sleep) / NREM睡眠(NREM sleep) / 覚醒(Awake state) / 電子スキャン(Realーtime ultrasound) / 行動異常(abnormal behavioral pattern) / 脳機能障害(brain impairment) / 超音波電子スキャン(Realーtime ultrasound) / 中枢神経系(central nervous system) / ヒト胎児 / REM睡眠 / Rapid eye movement / Slow eye movement / Muscle atonia / 個体発生 / 超音波電子スキャン / 折線回帰 / REM / NREM期 / 口唇運動 / 発達 / ヒト胎児行動 |
研究概要 |
われわれはこの3年間、ヒト胎児行動の個体発生過程を中枢神経系機能による制御との関連で明らかにすることを目的に検討をすすめてきた。その結果、1.胎児の眼球運動は妊娠16週頃から観察できるようになるが、運動の頻度は少なく、散発的である。しかし、妊娠24週前後になると眼球運動は群を形成してくるようになる。さらに、妊娠32ー33週に至ると眼球運動の頻度が増加するとともに眼球運動期と静止期が明瞭になる。そして、妊娠37ー38週前後になると、眼球運動期と静止期は各々平均24分および平均22分の一定の持続時間で交代性に出現するようになる。2.妊娠33週以降、眼球運動の個々の持続時間のなかには、0.6ー0.8秒に統計学的に有意なひとつの変極点が認められる。このことは持続が0.6ー0.8秒以下と以上の二種類の特性の異なる眼球運動が存在することを示す。前後者は各々、急速眼球運動(REM:rapid eye movement)と緩速眼球運動(SEM:slow eye movement)に対応する。緩速眼球運動は筋緊張低下の表現である。したがって、REM期のなかにSEMが混在することはヒト胎児にREM睡眠の状態が存在することを意味する。3.口唇運動は妊娠34週以前の妊娠の早期ではランダムに生起するのに対し,妊娠35週以後になると0.3ー0.6秒のインタ-バルを有する規則的な口唇運動がNREM期にのみ同期して出現する。この規則的な口唇運動は新生児においては、NREM睡眠に限って認められる。したがって、これはヒト胎児にも妊娠35週頃にはNREM睡眠と呼べる状態が発現してくることを示すまた、4.散瞳・縮瞳とREM/NREM睡眠との相互の関連から、少なくとも妊娠末期の胎児では全時間の5%に将来覚醒に連なってゆくとみなされる状態が存在すること、そしてこの状態はREM睡眠期から芽生えてくることが分かった。このようなわれわれの成績は今後、ヒト胎児行動学の体系化へと展開できる。
|