研究課題/領域番号 |
63480376
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
戸川 清 秋田大学, 医学部, 教授 (40009444)
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研究分担者 |
西平 茂樹 雄勝中央病院, 医師 (80180628)
伊藤 永子 秋田大学, 医学部, 助手 (90006734)
花沢 秀 秋田大学, 医学部, 助手 (20125735)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | フィブリン糊 / 顔面神経吻合 / 基礎的・臨床的研究 / 鼻性髄液漏モデル / 基礎的研究 / 臨床的研究 / 基礎的実験 |
研究概要 |
1)鼻性髄液漏モデル作製、その治療に果たすフィブリン糊の効果を検討。結果;フィブリン糊は筋肉片と併用することで髄液漏の治療効果を増強したが、単独調用での効果は期待できないことが確認された。 2)ラット坐骨神経切断後の神経修復実験(フィブリン糊とナイロン糸の比較)。結果;Regenerative index値ではナイロン糸を用いた群で明らかに良好な結果が得られたが、1Cmの神経を移植した群での移植片の生着率は、a)フィブリン糊群80%、b)10ー0ナイロン糸群100%。単純な神経切断接着群での神経生着率はa群b群共に100%であった。フィブリン糊はかなりの確率で神経移植を成功させると考えられるが、確実性の面から考えるとナイロン糸との併用が望まれる。 3)モルモット顔面神経頬骨・眼瞼技選択的切断後の神経修復実験(フィブリン糊とナイロン糸の比較)。結果;眼輪筋誘発筋電図検査および誘発による眼輪筋収縮力試験の結果、両群の神経回復過程に有意差は認められず、フィブリン糊による顔面神経吻合でも機能的、電気生理学的に従来のナイロン糸による縫合法に匹敵する効果が得られることがわかった。組織学的検討・結果;軸索の再生状況は両群共に同様であった。ナイロン糸縫合群で糸周囲に異物反応が認められたのに対し、フィブリン糊は実験4週目の時点で完全に吸収され、異物反応も認められなかった。組織学的にはより理想的な吻合材料であると言える。 4)臨床応用を55例に試みた。術後創感染、皮膚瘢痕のケロイド化、術後肝機能障害等は認められず人工的な生体接着剤として充分安全に使用しえた。適用組織として骨膜、粘膜、皮膚、筋肉、骨、神経、血管、筋膜の他、セラミックス人工骨、ハイドロキシアパタイト等があった。使用方法としては、接着及び固定、止血、充填、内腔置換、漏洩防止等であったが、それぞれ良好な結果が得られた。
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