研究課題/領域番号 |
63480377
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 肇 東京大学, 医学部(医), 教授 (80010031)
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研究分担者 |
今泉 敏 東京大学, 医学部, 助教授 (80122018)
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
新美 成二 (新見 成二) 東京大学, 医学部, 教授 (00010273)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 声帯振動 / 高速度撮影 / 嗄声 / 励振パタン / グロトグラム |
研究概要 |
本研究では、これまで研究代表者らが開発してきた超高速度声帯振動解析システムを、病的声帯振動パタンの経時的記録に応用する方式を確立し、さらに同時記録によって病的音声信号と画像との対応関係を調べるシステムを樹立することをめざした。 本システムの構成としては、前年度より使用可能となった特殊型喉頭側視鏡にカメラを介して固体撮像素子を接続し、この素子(センサ)からの高フレ-ムのビデオ信号を画像処理装置のイメ-ジメモリに取り込む方式が基本となっている。さらに、定常母音発生時の病的声帯振動およびその際の音声信号の記録が可能となり、画像処理方式が確立された段階で、過渡的発声時の声帯振動像を解析するため、ファイバ-スコ-プに撮像用カメラを接続するシステムを完成した。 上述のシステム整備をもととして、各種の嗄声症例を対象として、その嗄声生成時の声帯振動パタンを解析し、これと音声信号を対比させて検討した。一般に地声発声では、声帯辺縁部の波状運動、声帯表面の潤滑状態などが容易に観測され、各周期ごどの振動パタン規則性も定量的に把握可能であった。病的振動の特徴として、とくにいわゆる粗造性嗄声に関しては、正常音声における波形と異なった音声波形が声帯振動異常と対応していることが確認された。すなわち、正常音声波形においては、声門閉鎖の時点に主要な振幅パルスが依存して、声道の共振に対応する減衰振動波形が生成される。声門開大期になるとこの波形の減衰は大きくなり、共振波形のくずれが大きくなる。これに対し嗄声症例では、励振パタンは安定であるが周期が変動する場合、励振パタンの明確な周期と不明確な周期が交代して生ずる場合、および各周期ごどにランダムな変動が生ずる場合など、いくつかの異なるパタ-ンが存在することが確認され、それぞれの定量的性質が記述された。
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