研究課題/領域番号 |
63480380
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 広島大学 (1989-1990) 九州大学 (1988) |
研究代表者 |
原田 康夫 広島大学, 医学部, 教授 (30033963)
古賀 敏生 (1988) 九州大学, 歯学部, 教授 (00037540)
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研究分担者 |
工田 昌也 広島大学, 医学部, 助手 (00179590)
平田 雅人 九州大学, 歯学部, 助教授 (60136471)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | グライコカリックス / 感覚毛間連結 / 前庭器 / ヒト / 音響負荷 / ゲンタミシン / 内リンパ水腫 / レクチン / 内耳 / 複合糖質 / 微細構造 / 耳毒性薬剤 / 騒音性難聴 / 前庭暗細胞 / グリコカリックス / 耳石 / ヒト前庭器 / 食細胞 / イノシトール三燐酸 / Ca^<2+>イオン / 走化性ペプチド / 前庭 / ルラニウム赤 / 前庭支持細胞 |
研究概要 |
日常臨床に於いてめまいはよく見られる疾患であり、その病因については種々の原因が考えられている。しかし内耳感覚受容器に生じる障害の初期的な変化がいかにして起こるかについては、今なお不明な点が少なくない。前庭器においては、平衡斑支持細胞の細胞の中には耳石生成に関与する物質がみられる。また、一方、半規管膨大部稜支持細胞ではクプラの栄養に関係する複合糖質を生成している。本研究は耳毒性薬物を投与した際の複合糖質の変化と感覚毛変化との関係、また支持細胞、暗細胞における複合糖質の生成とその機能を解明する事により、初期の前庭器障害のメカニズムを解明する事を目的とする。本研究を行うに当たり実験動物にはモルモットを使用し、試料作製にあたっては内耳の複合糖質を染め出す為にルテニウム赤染色を初めとする特殊染色を応用し、更に内耳の複合糖質の三次元立体構造の観察の為に新開発の超高分解能走査電子顕微鏡を利用した。また複合糖質に含まれる各種糖鎖の同定の為にはレクチンによる免疫染色を利用し光顕並びに電顕レベルでの観察を施行した。本研究の結果、前庭感覚上皮を構成する感覚細胞、支持細胞、暗細胞などの細胞表面はすべて複合糖質から構成されるglycocalyxで覆われており、その機能は感覚細胞では感覚毛の形態の保持、感覚細胞興奮機構への関与、支持細胞では細胞の保護、暗細胞では耳石の吸収や内リンパ液のイオン環境の調節等に働いていることが明らかになった。さらにglycocalyx、耳石膜に含まれる糖の種類をレクチンを用いることで明らかにすることができた。これらの実験動物で得られた結果はすべて、ヒトの前庭器でも同様に観察され、このような複合糖質の内耳での局在、あるいはその機能は哺乳動物に共通なものであることが判明した。
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