研究課題/領域番号 |
63480402
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
脇田 稔 北海道大学, 歯学部, 教授 (40018916)
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研究分担者 |
土門 卓文 北海道大学, 歯学部, 助手 (50217618)
山本 恒之 北海道大学, 歯学部, 助手 (80200822)
高野 吉郎 北海道大学, 歯学部, 助教授 (90126425)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | エナメル質 / エナメル小柱 / 結晶配列 / ト-ムスの突起 / コンピュ-タシミュレ-ション / グラフィックシミュレ-ション / エナメル質の発生 / シュレーゲル条 / レチウス条 / 走査電子顕微鏡 / アパタイト |
研究概要 |
ト-ムスの突起の突起の形態と結晶配列に冠して、とくにS-面の表面形状と、その上に析出配列する結晶の長さの小柱内特に小柱体部の結晶配列に与える影響に関して、コンピュ-タ・グラフィック・シミュレ-ションを行なった。本研究は、従来Wakita et al.および脇田らが行なっている、ト-ムスの突起の突起の立体形態とエナメル質結晶の配列に関する一連の形態学的研究を、客観的に検証することを目的とした。今回の実験で明らかになったことは、二次元的にも、三次元的にも、S-面の表面形状によって、その上に新生配列する結晶の長さに限界があることであった。すなわち、与えられたS-面上に新たに析出する結晶は、ある長さを越えると、その周囲の隣接する結晶と重なるかあるいは交叉をしてしまう。このことは、結晶の形がディスプレ-上で描かれるような線でなく、厚さと幅を有する形状の立体であることを考えれば、実際には存在の不可能な現象であることを意味する。このような結晶の重なり合いは、結晶の長さとこれが析出する突起表面の曲率半径に密接に関係している。すなわち、曲率半径にの小さな面の上で析出する結晶は、同じ面の他の領域より、より短い段階で隣接する結晶と交叉を生じてしまう。このことは、今回、S面が凸面もしくは鋭く突出している場合を想定したシミュレ-ション実験で、初めて明らかになったものである。三次元的には、S面が緩やかな凹面の場合、結晶が互いに交叉をしない最も長い値は、12.4mmであった。ディスプレ-上でのS面の幅は20mmなので、S面の幅が5μmと仮定すると、結晶の長さは約3,120μmに相当する。この値は、従来報告されている値よりかなり大きな値である。エナメル質結晶の長さの測定は困難であり、本研究は理論的にその長さを求めた点で、エナメル質の形態学の進歩に貢献すると考える。
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