研究課題/領域番号 |
63480424
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
若林 始 昭和大学, 歯学部・歯内療法学講座, 助教授 (90175688)
|
研究分担者 |
堀川 真奈美 昭和大学, 歯学部・歯内療法学講座, 助手 (70201762)
都築 延之 昭和大学, 歯学部・歯内療法学講座, 助手 (60217354)
船登 章嘉 昭和大学, 歯学部・歯内療法学講座, 助手 (60219087)
中村 幸生 昭和大学, 歯学部・歯内療法学講座, 講師 (40207931)
立花 均 昭和大学, 歯学部・歯内療法学講座, 講師 (20146872)
小野寺 篤 昭和大学, 歯学部・第一歯科保存学教室, 講師 (70194610)
西濱 亮介 昭和大学, 歯学部・第一保存学教室, 講師 (60198489)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ラビットイア-チェンバ- / 水酸化カルシウム / 異所性石灰化 / X線マイクロアナライザ- / 生体顕微鏡観察 / 根管充填剤 / ラビットイヤ-チェンバ- / 生体観察 / ラビットイアーチェンバー法 / 組織刺激 |
研究概要 |
ラビットイア-チェンバ-法によって水酸化カルシウムの異所性石灰化の過程を経時的に生体顕微鏡観察した結果、結合組織との接触部に接触直後から炭酸カルシウム様の沈殿物が急速に形成され、48時間以内に組織と水酸化カルシウムを隔絶するバリヤ-となった。このバリヤ-のSEM観察とXMA分析から、沈殿物は水酸化カルシウムとその強アルカリ性によって溶解された結合組織との中和生成物であり、Ca,P,Mg,Sなどを含んでいた。しかも、この生成物は微小循環系との親和性が高く、生体組織液中のCaーPを吸着して組織側は次第に厚くなり、層板状を呈するようになる。この沈殿物は臨床上、直接覆髄した場合には歯髄の保護層を提供することになるであろう。このような異所性石灰化を誘導する中和生成物を形成することが水酸化カルシウムの薬理効果の特徴であると考えられる。 したがって、水酸化カルシウムの否定的な側面といわれている強アルカリ性と壊死組織の形成はこの意味で不可欠なものというる。一般に水酸化カルシウム系の根管充填剤とされるシ-ラペックス、カルビタ-ル、覆髄剤としてのダイカルも同じような中和生成物を形成する。これらの薬剤はいずれも高いアルカリ性を有する。水酸化カルシウムと不飽和高級脂肪酸から成る新開発根管充填剤はほぼ中性である、微小循環系に対する刺激は初期からほとんど無い。したがって、こうした沈殿物を形成せず、異所性石灰化もおこらない。むしろ、比較的早期に組織によって分解吸収される。根管充填剤としてどちらの性質が優先すべきかは他の動物実験や臨床試験の報告をまたねばならないが、水酸化カルシウム系といわれるものの中にも2種類あることが分かった。
|